ワタシニハアナタシカイナイ
私とルナの親は世界的に有名なダンサーで
タッグを組んでいた。
それぞれ出産を経て、
離婚をし私らを1人で育てて
ダンサーだったという境遇もよく似ていた。
『だった・・んすか?』
『うん、もう2人ともこの世にはいないもの。』
そうもういない。
私の母は最後まで私を認めることなく
病に倒れた。
『お母さん!』
隣にはルナとその母がいた。
私より先に、病床に伏せた母の隣にいた。
『ごめんね、、メイ。』
『いやよ、アリン。死んじゃいやあ・・・・。』
ルナはさっと病室を出た。
なんで。
ルナのお母さんは、
私のお母さんを抱きしめている。
本当は私がそこにいるのに。
私の方は一切見ない。
額から汗が流れる。
一歩母さんのベッドに近づこうとする。
床が音を立てる。
母さんが一瞥をくれる。
我が子に向ける優しいものでなく
何かを突き刺すような乾いた目で。
私は全身が固まる。
心臓が早くなる。
母はまた涙を流し、ルナの母と抱き合う。
『メイ・・・・愛してるわ。』
米島アリン。
私の母は、メイと、ルナの母である榊原メイと
口づけを交わした。
私は寒気を感じる。
どうして私は愛してもらえないのか。
そうか。
何がある度に、母は私に言った。
『練習はどうしたの?』
唯一買ってくれたフリフリの練習着。
母は私がダンスが上手く無い。
だから愛してくれないんだ。
ルナの母はダンスが上手いから愛せる。
ただそれだけだ。
病室を出る。
頭を垂れていると、
夕陽が病院の窓を貫き、
できる2つの影が視界に入った。
ルナが寂しそうに微笑む。
『りょーちゃん、踊ろ?』
そう言って首を傾げたルナの影と
私の影は重なって一つになった。




