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ワタシヲミテクレルアナタ

私は、よく母のライブを見に行った。

ダンスを踊り、スポットライトを浴びて

キラキラと輝く母は私の憧れだった。



ライブが終わると楽屋へ行く。




母はいろんな人に囲まれていて、笑顔を振りまいている。

こちらを一瞥する。



すると母は少し口角を下げて、携帯を取り出して

素早く打つと携帯を鞄に戻した。





ピロン。


私の手元の携帯電話を見る。


「帰りなさい。あなた、練習はどうしたの。」


返信する気はないのだ。

だって母はすでに携帯電話をかばんにしまっているのだから。




母は憧れであった。

でも同時に、私は母に愛された記憶がない。



そんな時は私はルナがいるダンススタジオに行くことにしている。

ランドセルを置いて、更衣室に入り、着替える。




フリフリの練習着。




唯一母が買ってくれた洋服。

これさえあれば、母の子供なんだと、そう感じることができる。



「りょーちゃん、遅いよ!!」



「ルナ!お待たせ!!踊ろうよ!!」


私とルナはチームメイトだ。





決められた振り付けをこなしていく。


足をさっと床に打ち付けるように止めて。

きゅっとなる床の音が心地いい。



ハンドクラップをする。

空気が振動する。



ルナと視線が合う。

ルナがにこっと笑う。

心臓から全身に血がドバっとめぐるのがわかる。

顔が熱くなる。


プイと視線を目の前の鏡に目を向ける。



ルナと踊っている。

キラキラとした時間。

私の心が洗われていく。



ルナには必要にされている。

そう感じている。


愛されていると確かに感じることができる。



(ねえ・・・ルナ・・・・)


空間がどんどんと音と私の思考に混ざりあい、

恍惚とした何かそんな脳内の麻薬がドバドバと出ているような気がする。

心地の良い、でも一過性の快楽に過ぎない。


どんどんと足りなくなっていくのはわかるのに。

それでも私は彼女を求め続ける。

愛してくれるとわかっているから。


私にとってはダンスは愛されるための手段に過ぎなかった。


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