表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/78

好きだから

クレープを食べる。

甘いはずのクレープは何も味を感じることはなかった。


このスケジューリングはテルの助言に従った、

ルナの意思に基づくものだ。



だから、

味覚は甘さを感じていたのかもしれないが、

私がそれを受け入れなかっただけなのだと思う。




「りょーちゃん、どうしたの?おいしくない?」



ルナが顔を覗き込んでくる。

それはうれしいはずの景色のはずなのに。

今日は妙にルナを感じると。


頭がごちゃごちゃになった。

景色がモノトーンになり止まったかのように。

私の心に刃を突き立てられたような、ひりつく感覚。



「なんでもないわ。」


そう返すのが精いっぱいだった。




私はスタスタと歩く。

「どうしたんだよ!?りょーちゃん。」



ルナが追いかけてくる。






むかつく。

むかつく。


すべてがむかつく。

ルナと二人で天下を取るはずだったのに。

ルナと二人で。



なんで今、こんなダンス部も崩壊して、

すべて粉々になって、でも再起をかけて召集に応じてみれば

なんだかよくわからない奴に部を乗っ取られたような形になって。





ある日からルナは踊らなくなった。




「私は、支える側に回るから。」



そう話したルナにどう声をかけていいかわからず、

でもとりあえず部活には残ってくれて。



そのうち、なぜか私の取り巻きグループみたいなのが、できて。

ルナとは距離ができてしまって。


やっと。

やっと二人に慣れたのに、、



「ちょっと・・・りょーちゃん・・・・」



「なんなのよ!あなたって人は!!」



腹の底にたまっていた、黒い鉄の塊を吐き出すように。

そこにすべての熱をのせて吐き出すように。



「いつもそう・・・!!ダンス部の裏方に回るって言った時も!

今回も!ぜんぶぜんぶ、私を置き去りにして!!そうやって、

私を馬鹿にして!!信じられない!どんな思いで私が・・・・」



「りょ、りょーちゃん・・・・落ち着いて。どうした・・・」



「どうもこうもないわよ!!私は・・・・私は!!」



どんな汚い言葉を吐いたのだろうか。

腹の底からあふれ出た、どす黒い、嫉妬の塊が、、

ルナをこれでもかというくらいに叩きのめして

ずたずたにして・・・





どす黒さをすべて吐き出したあと、私は取返しのつかないことを

ルナに言ってしまったことに気が付いた。






ルナの顔を見る。

寂しそうに

切なそうに


苦しそうに





「そっか・・・・ごめんね。私はそういう風に見えていたんだね・・・」



なぜか笑みを浮かべて。

それはたぶん、自分への嘲笑。

そうやって、ルナの心を引き裂いてしまった私は。




その場から逃げるくらいしかできなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ