惑わされる
リアルイベントの企画。
ダンス連盟から除名された私たちは自主興行でやるしかなかった。
集客用のPR、フライヤー、SNS運用はルナとテルがやってくれる。
あのテルという女。
ルナがSNSで知り合ったというけれど、
一体何者なのだろう。
体全体が緊張で強張るのがわかる。
それは、そうだろう。
テルという女は間違いなく、ルナに恋している。
歯をきりきりと噛む。
これは妬みなのだろうか。
ああやってルナの懐に入り込み、ルナを
意のままに操っているように見える。
ただーーーーー
プロデュースのアイデア、指示出し、
ディレクションは完璧だ。
こうやって私とエリカはリアルイベントに向けて
振り付けを2人して作っている。
貸しスタジオの端で、テルとルナはパソコンを見ながら何か話をしている。
テルがぐいぐい来るタイプでないのも
鼻につく。
モジモジしながら照れるように時折、ルナのパソコンに指をさして意見交換をしている。
私は心臓を素手で鷲掴みされたような気がした。
『りょーちゃん、どうしたんすか?』
エリカが私の視界を遮るように覗き込む。
かつてのエリカのように相変わらず服装は
露出が多い。
エリカをダンス部に入れたのは、
さすがルナの選球眼があるといったところだ。
見た目は美しい。
ナイスバディだ。
これでいて少し影のある感じだ。
ダンス部が健在なら彼女は
部を牽引したかもしれない。
『ああなんでもないわ。振り付けどうしましょうか。』
とりあえずテルのプロデュースには乗っかる。
ルナがそう決めたから。
ここでまた表舞台に立つことが出来れば、、
全て報われるのだから。




