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幸せな夢

何回目だろうか。


目を開けると、光が瞳を刺す。


昔はこんなに光を痛いと

感じたことはなかったのに。




首を横に向ける。

パソコンの煌々とした光。


その視線の延長線にあるのは、

レモン酎ハイの空き缶と、散らばった眠剤。




なんでこんな事になったのだろうか。




パソコンの画面は、

動画サービスのトップページだ。




ダンスの動画がおすすめで出てくる。



・お前はただの玩具だ

・性を売り物にするアバズレ

・乙




書かれてない文字。

聞こえるはずのない声。




『うるさいっすね、、、』




わかっている。

眠剤片手にアルコールを飲み干し、向き合おうとしなかった。



『病気っすね、、、』


何が引き金だったのだろうか。



わかってる。

血反吐を吐きながら、

瑠璃大学ダンス部に入ったのだ。



『ああ・・・・。』



思い出したくもない記憶。

視界がぼやける中、私は夢を見た。










父は私が産まれて、

すぐ亡くなったと聞いていた。



『エリカ、ただいまー!!』



満月の綺麗な夜。

母は汗くさかった。



毎日帰ってきて、

シャワーを浴びる。



そして、ご飯を作る。

『お母さん、今日はなあに?』


『今日はエリカの好きなカレーよ!』


『わあい!!』



母が週末に仕込んだカレーに火をかける。




お米を炊き、ほかほかのごはんの上にカレーをかける。



六畳一間に丸テーブルが一つ。

畳の青臭い匂いを感じながら、カレーを食べる。



『美味しいね。』


『エリカはカレー好きね。』



頭を撫でてくれる母。

母は原色のよそいきの服装に変わっていた。

汗臭く泥だらけの見た目から、

煌びやかな服に、紅の唇。

ふわりとカールした髪型。



『ごちそうさま。』


『ごちそうさま。』



母は忙しそうに、食器を洗う。



『エリカ、寝るね。』


『うん、じゃあお歌を歌うわね。』



母は夜の仕事の前に私を寝かしつけてくれる。

私は目を閉じていた。

母の歌が聞こえる。


歌が止む。

母は物音を立てず、玄関から出て行く。

鍵がしまる音でそれがわかる。



私は1人になったのを感じた。

夜はいつも1人だ。



だけど。





母は必ずご飯を作り、

一緒に食べて私を寝かしつけてくれた。



そんな大好きだった母との思い出。


夢で出会える。

私はまた、微睡んだ。




また母に会うために。

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