壊れかけの踊り子
りょーちゃんがいたのは、
ちょうどダンススタジオの裏通りであった。
お気に入りのカチューシャは外されていて
前髪がだらんと下りている。
着衣は乱れていて、少し汚れていた。
『りょーちゃん、、、、』
『ルナ、、、あなた、、なんでここに。。』
黒ずくめの男が後ろに立っているのを見ると
虚な表情をしていたりょーちゃんはみるみる
怒気を纏い、眉間に皺を寄せていった。
『ああ。私がこの人雇ったの。ただの雇用主なんでしょ?私を守るのと、りょーちゃんを守るためにね、、、、』
『ルナ。あなたは事が収まるまであのマンションに居てっていったわよね??』
怒気は私に向けられた。
怒気だけではない。
『なんで、、、言うこときいてくれないのよ、、、』
『りょーちゃん?』
りょーちゃんは顔を伏せていた。
コンクリートの地面に水滴が落ちる。
りょーちゃんは体を震わせていた。
『わ、わ、私ね、、、なんで、、ルナ。あなたは私の言うとおりにしていれば幸せなのに、、、私、あなたを、、、』
『りょーちゃん、落ち着いてよ。』
『私は!!部長として!!あなたを突き落とした奴の企みを察知できなかった!だから!あなたはこんな体に、、、』
りょーちゃんは涙を流していた。
『だから!こんな風になってしまった、あなたをせめて!!こんな辛い現実から遠ざけたくて!だから、、、あなたをあのマンションに、、、』
『そうかそうか。』
りょーちゃんは気がつくと私の膝下で泣きじゃくっていた。
子どものように泣きじゃくっている。
『でもさ、りょーちゃん。自分1人で背負う必要はないと思うよ、私は。なんたって、こんな風に身も心もぼろぼろにされる必要があるの?』
『わ、、私が、、私が悪いから!ああ!ごめんなさい!!ああ!お母さん!!私、ちゃんとやるから!ああああ!!』
りょーちゃんは錯乱し始めた。
『そうよ!私がこうやって、吐け口になれば、、サンドバックになれば!!少しはルナを守れる!!ルナにその牙が向かないように!!はははは!あははは!』
りょーちゃんは目を見開いて天を仰ぐ。
笑いながら、
泣いている。
『りょーちゃん。今日はうちに来なよ。黒ずくめのあんたは、うちの周りを見張っていて。』
今はりょーちゃんにもケアが必要だ。
りょーちゃんと私は車に乗る。
『うひひひひ!!うひひひふ!』
りょーちゃんは口から涎を垂らしながら
車中の天井を仰いでいる。
なんとかしないと。
だってりょーちゃん。
あなたは、、、、
『企画に必要。助けて。』
テルにはそれだけメールをしておいた。
このままだとりょーちゃんが
死んでしまうような気がしたから。




