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がんばる


「匿名性が高いと人は辛辣なコメントを書くようになるねえ。。。。」



私は車いすでできる限りの踊りを披露した。


主に上半身を使うような動作だ。



長らく踊っていなかったから動きもひと様に見せられるものではない。

それでも。




私は踊らないといけなかった。


・なにこの踊り

・本当に瑠璃大学ダンス部にいたのかよ

・ひでえ。




率直に落ち込む。

こういうことに耐性があるつもりだったけど。


結構つらいものだ。



2,3本挙げた。

ごまかしの効かない正面からの踊り。

それを見せたかった。




2,3本では何も表現できなかった。


だから何本も踊った。


最初の動画に比べると再生回数は明らかに落ちて行った。

燃えカスのようにまとわりつくアンチくらいがコメントを残していった。



アンチがまだいる分ましなのかもしれない。

そう言い聞かせて私は動画を回し続けた。




再生回数が落ちても。

どんなことを書かれても。


表現できるのはここしかなかった。


だって・・・・


もうダンス部はないのだから。







♦♦♦



・へたくそ

・きもい

・乙。まじ草




そんなコメントを残されても動画を取り続けていた。

アンチのコメントも勢いが落ちてきた。

だからこそ、落ち込む。

誰も見てくれなくなるのではないかと。



踊りは誰かに披露してなんぼだ。

私はそういう価値観のもと育ってきたのだ。



だからアンチですらありがたいと感じていた。


でも。


もうアンチというよりただ、否定されている。

存在自体を。


お前のことなんて見たくないのだと。



でも私は負けることは許されなかった。





♦♦♦


ついにコメントがつかなくなった。


再生回数も10分の1まで落ち込んだ。


別に承認してほしいわけではなかった。



見てさえくれれば。

コメントなんていらない。


見てくれればよかった。


今はそれすらない。


やはり私一人の力ではこの瑠璃大学ダンス部のチャンネルを大きくするのは難しかったのだろうか。



ふと、カメラに映る自分の顔を見る。


少しやつれただろうか。

そういえば目の下のくまもひどい。


そのくらい、追い込まれていたのというのか。



私一人では結局・・・・・



その日は動画をまわさなかった。




♦♦♦


ひたすら好きなダンサーの動画を見る日々。

海外のトップ選手の踊りを見て、なんとなく悦に浸る。


そんな日々を送っていた。

動画のリンクをコピペして、SNSの連携しているアカウントにひたすら貼り続ける。


それでよかった。

それが自分の一番傷がつかない方法だと学んだのだから。



そんな何も生まないことを1日の日課にしていた。



「ん・・・・?」




SNSのアカウントにDMが来ている。


珍しい。


迷惑メールだろうか。




開いてみる。







From テル



「はじめまして、私はテルといいます。あなたのファンです。良ければ支援させてください。」






それだけだった。




「どうせ、冷やかしだろう。」


私はメールを無視して動画を見ては貼り続ける日課に戻ることにした。





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