革命
ケイさんの顔がドアップにされた。
一体誰が何のためにこのゲリラライブを敢行しているのか。
かなりの視聴者数だ。
突然の瑠璃市駅前での大学生によるゲリラライブ。
しかも、美女そろいといわれている瑠璃大学のダンス部によるものだ。
しかも、衣装の露出も激しい。
ホットパンツに、タンクトップのような恰好。
そんな性的な目で見られることを前提に作られたであろう、映像。
「やばいっすね・・・・これは・・・まじでダンス部詰んだっすよ。」
それはそうだろう。
おそらく申請などしてないはず。
スナック菓子を食べる手が止まらなかった。
一種の何かドーパミンのようなものが脳内から出ていたのだろうか。
興奮状態であった。
「まじキタコレっすよ。どうすんだろ・・・・」
そう。
予想通りだった。
警察が出動する画像が流れてくる。
「やめなさい!!君たち!!!」
警察官が呼びかける。
このタイミングでやめておけば、まだ軽いおしかりで済んだのかもしれない。
ケイさんは観客をあおる。
観客も半ば暴徒と化しつつあった。
瑠璃大学のダンス部はそれほど影響力というか知名度があったのだろう。
「ダンスやめさせんじゃねええ!!!」
観客の一人が警官に石を投げつけるのが見えた。
「公務執行妨害!!とらえろ!!」
「ふざけんな!!!」
観客は瑠璃大学のダンス部の為に振っていたペンライトを投げ始めた。
そうこれがただのペンライトだったならば、まだよかった。
「ああ!!!」
ペンライトが頭にあたった警官が倒れた。
血を流している。
どういうことか。
少なくともただのペンライトではない。
ケイさんたちは踊り続けた。
本来は瑠璃市の全面サポートの元、披露すべきだった演舞をこなしていく。
「ううん・・・・これは・・・・」
私はSNSを調べ始めた。
瑠璃大学ダンス部のアカウントを見る。
合宿日以降の投稿を見る。
それまでの健全な部活の様子を伝えていたそのアカウントは、
合宿日以降、性的な興奮を誘発するような投稿が増えていた。
フォロワー数も万単位になっていた。
合宿前は何百だったはずなのに。
そうそしてつい1週間前くらいからだろう。
瑠璃市駅前でのゲリライベント敢行をすることを宣伝し始めた。
ダンスイベント後にフリーハグイベントをするという書き込みがあった。
「ダンスイベントが成功したらフリーハグをします。」
と書かれていた。
それまでのきわどい動画を見せられて性的なエネルギーに満ちていた
フォロワーたちが警察に邪魔させまいとして暴徒と化したのだ。
「まじ・・乙っすね。」
ケイさんがこれを計画したのだろうか。
ダンスを見る限り、りょーちゃんはいない。
ルナさんは当然いない。
とうとう、警察の方から催涙ガスのようなものが巻かれ始めた。
暴徒は静まり、ケイさんたちは取り押さえられた。
「い・・・いったい何が起きてるっすか・・・・」
警察の護送車に乗せられるケイさんたち。
ただごとではない。
暴徒化した観客たちとゲリライベント敢行した部員たちが取り押さえられた。
その後は瑠璃市駅前の惨状をひたすら映し続ける映像だけが流れていた。




