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百合なのか否か

「エリカ・・・・?」


「ルナさん・・・・」



エリカは耳をパタンと折れたうさぎのように沈んでいた。


「何があったんだい?」


「ルナさあああん!!!!」


エリカが胸に飛び込んでくる。

ふわっとお風呂上りのいい匂いがする。

よく手入れされた肌がもちもちしていて心地いい。


そんな本能的な感想が最初に来てしまう自分に辟易していたわけだが

こればかりは仕方ない。

エリカ的にいえばバブみを感じていたわけである。


「あーし・・・・あーしじゃ、無理です!!このダンス部で1軍を張るなんて!!」


「いったい、どうしたんだい?」


エリカの髪をあやすようになでる。

エリカは文字通りしくしく泣いている。



「だって・・・・あーしは・・・部活のトラブルメーカーだし・・・それに今日・・・自主練していてもやっぱり排除したいのか、邪魔だってされたし、、なんならごはんの時だって・・・!!!」



エリカはただの弱い子なのだ。

練習場の様子も実は見ていたのだが、あれしきではこの部でやっていくのは難しい。

あんなもの日常茶飯事なのだ。



「エリカはさ・・・・ダンスうまいし。かわいいし、よくねたまれるんだよな。」


囁くように耳元でそう声をかけてみる。



エリカはその言葉を聞くと上目遣いで涙目でこちらを見てくる。


「ルナさあああん!!そんなこと言われるとまじエモキュンですうううう!!!!!」



さらにエリカは泣き叫ぶ。




♦♦♦


「少しは落ち着いた??」


「はい・・・・まじ取り乱して、スマソでした・・・・。」


エリカを部屋に招き入れてコーヒーをふるまってやる。



「あーし、ああいう陰湿なの、だめなんす。」


「あたしも得意じゃないさ。」


「ルナさんはああいう経験はないんすか?」


「いやあるさ。でも、あたしは完全無視していた。なんなら食堂でケーキとかジュースを頭にぶっかけられたことあったけどさ、、全部無視。無視して、飯食ってた。ダンスもパート練からはぶられたけどさ、勝手に追い掛け回して隣で踊っていた。したらさ、ある日さ向こうもあきらめがついたのか、普通に接してくれたんだよね。まあ普通というか、頭おかしいやつだからちゃんと接しないとやばいみたいな空気になってね。」


「へえ・・・・・まじ鋼のメンタルっすね。」


「まあ・・・・それだけダンス部でダンスをしたかったからってのもあるんだけどね。」


「そうなんすか・・・・ルナさんってそこまでどうして・・・・」


「まあ。蛙の子は蛙っていうからかな。」


「はあ・・・・」



「いやさ、何が言いたいかっていうとさ。わりと瑠璃市ってさ、過疎ってるしりょーちゃんもそれだけ期待が高い企画を受託したんだと思うのさ。」


「瑠璃市って確かにオワコン感強いっすからね。」


「だろ?駅のトイレとかさ今だに汲み取り式だしさ。」


「あれマジ苦手なんすよね。」


エリカはケタケタ笑い出す。

いつも通りのエリカに戻ってきた。


「だからさ。そんな期待の案件のメインのイベントを任されたわけだし、あたしはエリカがイベント出ることをおすすめするわけよ。」


「でも・・・・あーし、マジでガクブルなんです。またあんな陰湿な感じでやられたら・・・・」


こういういじめ的なものは相対的に評価してはならないことはわかる。

他の人にとってなんてことないことが、別の人にとっては非常に辛辣でストレスフルなことなんてよくあることだからだ。



エリカはあまりメンタルが強くないのだろう。



「はあ・・・でもまあ。ルナさんの言うこともぐう正論なんすけど。。でもあーしはメンタルが豆腐なんす。」


「そうだね。そうかもしれない。だったらさ、このイベントが終わるまではさ、あたしがエリカの横にいるよ。ボディガードじゃないけどさ。そのくらいだったらできるからさ・・・・」


「いいんすか・・・・だって・・・・」


「いいの、いいの。あたしは2軍だし。そのくらいやらせてよ。りょーちゃんにはあたしから伝えるからさ。エリカのサポートをするって。」


「はあ・・・・でもなんであーしなんかを・・・・」


ちらりとかがむ姿勢になったエリカの胸元が見える。

少し、汗ばんでおり艶がある。


ゴクリと喉が鳴る。


「ルナさん・・・?」


「ああ!ごめん、ごめん。とにかくそんくらい2軍は暇なんさ。だからさ、ね?」


「・・・・・わかりました。したら、、、今日から同じ部屋で寝てください。」


「はい?」


「ですから。そんくらいあーしは、不安なんす。オナシャス。合宿中は24時間一緒がいいす。」


毅然とした目でこちらを見られる。


胸元は相変わらず緩いパジャマで、そちらに目がいく。



「わ・・・わかったよ。たださ、この部屋じゃなくて、エリカがいる部屋に行くよ。」


「エ・・・・ここじゃダメなんスカ?」


「ここはいろいろ書類仕事や企画仕事をするためにりょーちゃんがあてがってくれた部屋だからさ。

雑魚寝になっちゃうし、布団もちゃんとしたものはないからさ。」


「わ・・・わかりやした・・・・。」



エリカを立ち上がらせて、外に出す。

部屋を見わたす。



木製の年季がはいった机に書類とPC。

PCの中には動画編集ソフトや、フォトショやイラレが入ってる。


ベッドとテーブルが1つという部屋がほとんどだが、この部屋だけ書斎のていをなしている。


不自然なつくりだ。

私が入ったころにはなかった部屋。


おそらくりょーちゃんが作ってくれた部屋で瑠璃大学のダンス部しか使えないようにしてあるのだろう。


「ルナさん・・・・?」


「ああ・・・今行くよ。」



しっかり戸締りをする。

さて。


24時間エリカと一緒か。














それはそれでしんどいさ。

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