さて、因縁の対決をやろうか。
お読み頂きありがとう御座います!!
飛び出したオレとタマは連邦の兵士たちに襲い掛かる。タマはそのスピードで兵士たちを圧倒してゆく。魔法兵はタマを倒そうと魔法を撃つが、当たるどころか味方に当てる始末である。
オレはタマとは逆方向でミスリル鋼糸を振るいながら兵士たちを切り刻んでいた。
かなりの長丁場…生きていられたらだが…になると鋼糸の本数を両手から3本づつの6本のみでの省エネモードである。これならば冥王ハーデス様から拝領した『月影のローブ』の効果に魔力回復がある為、マジックポーションを使わずに戦い続けられる。
彼ら連邦の兵士たちはまるで踊っている様に戦うオレと、見えないスピードで突風の様に動く虎の姿のタマは悪魔の様に見えてるかも知れない。
しかし時間が経つに連れ落ち着いて来た兵士達が組織的に動いて来た為に、オレは指揮官クラスを狙う事に切り替える。指揮官クラスになると倒すのに骨は折れるが効果はデカい。
一人目は二刀流の大剣を操る見た目や言動も脳筋の様な奴だった。
「クソガキが!!ぶっ殺してやる!!」
大剣をブンブン振り回してオレに迫ってくるがそんな大したスピードでは無いので当たらない。
「無駄に振り回すだけのナマクラ剣法にオレが負ける訳無いでしょ!」
オレは大剣をミスリル鋼糸でバラバラにしてから首をはねてやった。
二人目はかなりの鉾の使い手で苦労させられた。周りの親衛隊もかなりの精鋭揃いで、その攻撃を掻い潜り攻撃するのだが中々当たらない。
オレは親衛隊を潰して行く作戦に切り替えて、一人づつ確実に倒していくと部下の仇とばかりに前のめりに出て来たので、やっとマトモに戦う事が出来た。
馬上から鉾を振るう姿は中華統一の漫画に出ていた唇の分厚い大将軍にそっくりだ。
オレの鋼糸が見えているので鉾で上手くいなされるのだ。恐らくはミスリル製の刃なのだろうね。だがあまり楽しんでも居られないので馬を切りつけて体勢を崩したところを切り付けて片腕を落とした。
そのまま片腕で攻撃して来たのには驚いたがキレは削がれているので直ぐに首をはねた。
◇◇◇◇◇◇
デュミナス領 砦
アレスの非常事態が発報した瞬間に皆の顔色が変わった。
「エリオット兄さん!至急応援に!サテラも頼む!」
「了解!!」
「分かったのじゃ!!」
アレスが残した転送魔導具で要塞の近くまで来た二人は、兵士たちにアレスが非常事態だと叫ぶと『シュテン』君は建設中の場所からジャンプして下まで降りて来た。
『シュテン』君は二人を案内する様に街道を真っ直ぐ進んでいたが途中で急に止まってしまう。
「どうしたんだ??何故止まる??」
『ココ…サキ…イケナイ…マドウロトマル…』
「何だと!!…そうか!それでアレスは飛び道具が使えないのか!!ココで待っててくれ!」
『アレスサマ…タノム…』
「任せておくのじゃ!!」
エリオットとサテラはアレスの方に向かって行った。
(くっ!間に合ってくれ…アレス!!)
エリオットは祈る様に走り続けた。
◇◇◇◇◇◇
ここに来てアレスは魔法攻撃や弓矢の攻撃でダメージを負い始めていた。タマは何かを探している様に敵陣へのアタックを繰り返している。
魔力はある程度回復しているが体力は無限では無い。魔力による肉体強化を行っているので簡単にはやられはしないが、それでもスピードは落ちて来ていた。ポーションはいくらでも有るので何とか戦えるが、かなり厳しい状況下にある。
また相手の指揮官クラスと戦ってる最中に後ろから物凄い風魔法を繰り出した者がいた。
『月影のローブ』のスキル『交わし身』と魔法防御が有ったので致命傷にはならなかったが、左腕を骨折した様だ…凄え痛い。
後ろを見ると見知った相手が魔法を放った様だね。
「まさか…アレをかわすとは…やはりワシの目が狂っていた様だな…」
「ランカスター卿ともあろう者が後ろから不意打ちとは情けない」
「アレスよ、やはり父とは呼ばぬか…お前の見立てを誤ったワシの不徳よのう。だが属性魔法を使えない、そして『魔導具』も使えないのはお前にとっては痛かろう」
「そうか…やはりオレの魔導具を封じる何かがあるという事だね…」
「その通りだ。天才魔導具師は何もお前だけでは無いと言う事だ。コレが予定通り来ていればこの戦勝っていたはずだ」
なるほど…確かにこの魔導具封じがあの戦場に有ればオレの魔導具全てが封じられて、人海戦術で負けただろうね…。
などと考えながらもオレは骨折の個所を【金属使役魔法】で治してゆく。骨は金属に分類される為に出来る技である。実は幼い頃にも狩りの途中で何度か骨折したが、魔法で治しているのですり傷よりも楽に治せる。お喋りしているのは単なる時間稼ぎだよ。
「アレス、もう観念して投降しろ。命だけは助けてやる」
「投降?中々面白い冗談を言いますね。丁度良いから決着を着けましょう。兄さんや姉さんに害が及ばぬ様に…」
「貴様…ならばもう言う事は無い。死ね!アレス!」
オレは全身から鋼糸を出して、あらゆる方向からランカスター卿に攻撃を仕掛けるが風の魔法の防御壁が鋼糸を弾き飛ばしてしまう。
ランカスター卿はオレに風魔法のウインドカッターやハリケーンスラッシュで攻撃を仕掛けるが見えている攻撃を交わすのは簡単である。そのうちランカスター卿は埒が明かないと強力な魔法を仕掛けようとして来た。オレはその瞬間を狙っていた!そのまま懐に入り込んで魔槍の鋼糸を叩き込んだ!
◇◇◇◇◇◇
敵陣のとある馬車内にて。
「どうやらこの魔導具が役に立っている様ですね〜」
「あの『オークロード殺し』特待員マルスの魔導具を封じている様で、間違いなく我々の勝ちでしょう」
「しかし、残念だなあ〜彼みたいな魔導具師と一緒に魔導具を造ってみたかったな〜」
「投降してくればその目はあるかもですよ」
「そっかあ〜投降してくれないかなあ〜」
彼こそがアレスの魔導炉を封じる魔導具『アレスジャマー』を開発した連邦の天才魔導具師、リナス=レーダーである。幼い頃に魔導具を造り出し神童と呼ばれ、連邦の魔導具学院では画期的な魔導具をいくつも開発し、世紀の大天才と呼ばれている16歳の若者である。
今回の『アレスジャマー』は本来、魔導船を封じる為に造り出したもので、それを造るのにアレスの魔導船を見に行っていた。そして見学会で魔導炉を見て『アレスジャマー』を開発してしまったのである。
仕組みはアレスの魔導炉に特定の周波数による共振現象を起こさせて、魔導炉に魔力を上手く練られない様にしているだけである。しかしコレで魔力が練られず圧縮も出来ない為に止まってしまうのだ。
魔力も大して要らないし、かなり広い範囲で使えるので完璧な対抗兵器だったのだ。
そこにタマがやって来た。ようやく彼を見つけたのである。
「ひぃ!!化け物!!」
「リナス様!!コチラへ!!」
タマは従者や兵士たちをズタズタに引き裂いてリナスに迫る。とそこに突然ガンミが現れた!
《タマ、その者を倒してはなりません。その者もまた後継者の一人です。このまま噛ませ犬になるか、後継者としての道を歩くかはこの者次第です》
「ニャアアア!!!!」
《お怒りはごもっとも…なれどコレは全てがサターン様の御意志です。どうか怒りを鎮めて下さい》
タマはガンミをひと睨みしてから『アレスジャマー』を咥えて持って行ってしまった。
そしてガンミもすぐに姿を消したのである。
(…後継者?…噛ませ犬?…何の話なのでしょうか…サターン?大魔王の?…う〜ん…)
リナスはガンミによって救われたのだが、彼もまた後継者の一人…サターンは一体何をしようと考えているのだろうか?
◇◇◇◇◇◇
オレは父の右腕を切り飛ばしたが、腹部に大きな傷を負って吹き飛ばされてしまった。
「ぐぅあああ…アレス…よくも…右腕を…」
馬鹿野郎…オレの方がずっと痛いってぇの!!オレはハイポーションをだらたらかけたが傷の出血が止まらない。折れた肋骨は治したけどね。
するとタマが変な魔導具を持って現れた。
「ニャアア!!!」
オレはその魔導具を触って金属の声を聞く…なるほど!そういう仕組みか!こりゃあ凄いぞ…オレの他にもこんな物を造れる天才が居るのか!!オレは直ぐにこの魔導具を使って共振現象を押さえ込んだ。
「やっと手品の種が分かったよ。さあ、終わりにしようか?」
オレが魔銃コルトを抜き立ち上がろうとしたその時、父の肩にファイヤーアローが突き刺さっていた…いや、あれはファイヤーアローじゃ無い…マグマアローか!
父が痛みで絶叫している後ろから鬼の様な形相のエリオット兄さんがサテラを連れてやって来たのであった。
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これからも楽しい物語を書いていければと思っております。
素人の小説モドキですが、皆様に楽しんで頂けたら嬉しいです。




