38
八階層はアロー系の魔術で乗り切った。
九階層は砂漠地帯だった。
今私はローブを被り寒さから体を守っている。ガロンも今はマントを着ている。探索で見る限りかなり広い階層の様だ。
ただ一点不可思議な塔があった。今はそこをめざしてあるいている。
「魔獣がまったく出てこない階層だな。」
「砂の中にはワーム系がいるみたいですが夜は動かないようですね。」
「これだけ広大な階層だ。水や食料など準備が潤沢でなければ攻略が難しいな。」
「私のカバンがなければ厳しかったでしょうね」
「魔女様様だよまったく」
塔へたどり着くと中はらせん状の階段がありまず上へと昇っていく。最後の一段に足を踏み出すと階層が変わった。
「階層への階段だったんですね。」
「そうみたい、だな。」
十階層は城の中のようだった。
「先ほどの塔は砂の中に埋まっていたようですね。」
「ここが一応最終階層になってるがどうだろうか。」
「索敵」
全体像を見るにはノイズが多い。罠だ。
「罠がいくつかあります。が、折角の城なので調査しながらいきませんか?」
「はいはい。罠までわかっちまうのか」
部屋のいくつかの調査を進めるが、特にこれといったものはなかった。強いて言うならばガロンが罠を踏んで槍が降ってきたくらいだ。
「風よ!」
風を起こしガロンと自分を飛ばす。がらんがらんという音とともに槍が倒れる。
「助かった!すまんイシュドラ」
「いいえ。この槍ってほっといたらどうなるんでしょう?」
「ダンジョンが吸収するだろうな」
ダンジョンの不思議現象がみられるらしい。大変魅力的ではあるが先も気になる。
隣の部屋はセーフティエリアのようだ。今日はここで早めの休息を取ることにした。
「やっと落ち着いて休めるエリアについたな。」
「ほんとですね。そろそろ体がべたべたなので拭きたいと思ってたところでした。」
エリアには水が潤沢に湧いていたので体を拭く次いでに洗濯もしてしまうことにした。
銅像の口から水が出ている。鍋にくみ取り魔術陣の上に置く。
「この魔術陣も最初に会った時ぶりに使いますね。」
「焚火の魔術か。懐かしいな。あれだけ短かった髪も大分伸びてきて女の子らしくなってきたな」
「なんかガロンがそういうの意外ですね」
「なんでだ」
「女の子らしいとか言う人だったんだなと」
「おいおい」
「ガロンはどんな人が好きなんですか?」
程よく沸いた湯を桶に移し替える。そしてまた口から水を汲む。
「俺は答えないからな。ほら、早く体拭いてしまえ。次俺が使うからな」
後ろを向いてしまったので私も後ろを向き服を脱ぐ、丁度良い温度の湯に布を浸し絞り身体を拭いていく。洗濯ものと分け新しい服を着る。
「はい、終わりましたけど髪も洗ってていいですか?」
「あぁ、その間に俺も身体を拭いとく」
水場で石鹸を使いつつ髪を洗っていく。久しぶりに洗うからか泡立ちが悪い。二度洗いついでに洗濯もしていく。
ガロンも頭を洗い洗濯をしだした。短いとやはり早い。
ロープをはりそこに洗濯ものを干しておく。ダンジョンで長期間籠る場合こういったこともあるらしい。
鍋では葉野菜と薄切りのオーク肉を重ねて並べた鍋がぐつぐついっている。
今回ダンジョンに潜ってからまともな食事となる。ほとんど屋台で買っておいた軽食で済ませていたのだ。
ワルターの煮込みが恋しくなってきた。
「今日は一杯くらい飲んでも許されますか?」
「いいんじゃないのか?不寝番はするぞ」
「もちろんです。索敵もかけてますがこの部屋には入って来ないですし他に冒険者もいないですし、ちょっと時間も早いですし、」
「わかったわかった。早く鍋を食おう。俺は食欲の方だ」
明日はボス部屋らしき場所を攻略する予定だった。特に戦闘らしい戦闘をしていないので気が抜けてしまってるかもしれない。
ここはダンジョン。忘れないようにしないと。




