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ボス部屋を開くと人型の二本角がいた。オーガだ。オークの上位種である。
体長は二メートル程。
小柄な程戦闘力が増すらしい。
装備を身にまとって曲刀を手にしたオーガはネームドモンスターになってもおかしくない覇気があった。
ガロンが剣を抜くのと同時にミスリルのナイフを抜く。敵は私たちが戦闘態勢に入るのを待っている。
「強者ですね。」
「まごうことなきな」
私が右から、ガロンが左から、いつものフォーメーションで駆けていく。
投げナイフを一本投げる。避ける寸前に詠唱。
「雷よ」
驚いた様子のオーガにガロンが肉薄する。私は背後から遠当ての準備を行う。切った際に残っていた髪を巻き付け媒介にする。
オーガがガロンに切りかかろうとしたところで詠唱。
「風よ!」
オーガの体制が崩れる瞬間を狙いガロンが袈裟切りにする。そうして足蹴にしたところに準備してあった私の魔術をあてる。
「炎の槍」
三本の槍がオーガを貫く。一旦離れ様子を見る。
プスプスと煙が上がっているがまだ崩壊はしていない。
「水よ」
オーガの顔周辺が水没するように水を出現させる。その間にガロンと合流を果たす。
「一ターン目はいい連携だった。が、あれで死なないのか」
「苦しそうではありますが直接当てなければ効果が薄そうです」
「だからあの魔術を使ったのか?」
オーガが水を振り払い私へと駆け出してきた。私を危険だと認識したらしい。
私は投げナイフを五本周りに浮かせる。ミスリルナイフにはまだ媒体が絡んでいる。遠当て。
「雷よ!」
ナイフ五本がオーガに迫り五本分の雷を浴びせる。水をかぶっているので雷の伝導率が高くなる。
それでも肉薄するオーガに向けてナイフを突き出す。この魔術の詠唱は聞かれてはならない。
「*****」
魔術が心臓を貫くとともにガロンがオーガの首を落とす。
そして崩壊が始まった。戦闘は終了した。
「あの魔術はなんだったんだ。俺のスキルが反応した」
「秘密です。とにかく倒せてよかったです。」
二人で汗だくになりながら笑い合う。十分か一時間か時間間隔の分からない戦闘だった。
宝箱が二つ出ていた。木の箱と銀の箱だ。
「ガロン!宝箱ですよ!」
「はいはい、お楽しみがやってきたな」
宝箱に罠などはなく、そのまま開けていく、まずは木の箱から。中には布袋が入っていた。私は広げてガロンに見せる。
「これなんですか?」
「マジックバックだな。サイズは大きいようだ。俺が使ってもいいかな」
「どうぞ!」
銀の箱には剣が一振り入っていた。
「ダンジョン産の剣ってどうなんですか?」
「良し悪しあるな。こればかりは鑑定に出さないとわからない。もし性能が良ければ今の剣を予備にして使うのもありだな」
「魔剣とかそういうおとぎ話的なものって出てくるんですか?」
「出てくるさ。ルーンがはめられていて強化された剣なんかもな。とりあえずそれは地上に出てからとして、」
「階段ですよねえ」
「階段だな」
宝箱の先には階段があらわれていた。まだこの先があるらしい。
「ボスはすぐには現れない。この場で少し休憩しないか?」
「同感です。さすがに疲れました。」
ガロンがいそいそと茶の準備を始めたので焚火の魔術陣を書いておいた。紅茶にジャムでも入れようかとカバンを漁る。




