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各々休暇を楽しんでいた。
私は魔導書の続きを、ガロンは武器や鎧の手入れをしていた。今回は気を使ったが人数的に余裕があり摩耗が少ない。無理矢理探索したわけでもないので。
食事は宿でとっていた、他の冒険者とも顔見知りになりだんだんと会話を振られるようになってきた。
「今回の探索はどうだったんだ?お貴族様の護衛だろ?」
「七階層まで潜った」
「お前のとこのパーティは安定感があるなあ、少人数なのによくやってる。なんかコツとかあんのか?」
そんなことを話していたらワルターが食事を運んでくる。大皿に盛られたオーク肉の煮込み。そしてパンといつものマッシュポテトだ。大盛のマッシュポテトに慣れてきた。ソースを絡めて食べるとおいしい、そして腹持ちがいい。
皿に目が釘付けになり会話が途切れるくらいには料理に夢中だ。
長テーブルに各々が座り皿にマッシュポテトを取り大皿から煮込み肉をとっていく。トングになっているのは肉がほろほろになっているからだろうヨダレが止まらない。
私の分は腕が長いガロンが取ってくれる。
「嬢ちゃんもガロンと組んでもう二月になるんだろ?そろそろ愛想尽きてこっちのパーティに来たいと思わないかい?」
向かいの男がいう。いつもの勧誘だ。
「おいしいお肉が沢山食べられるので今のところ満足です!」
「そりゃ店主のおかげでもあるだろうよ」
「うまい肉を食べさせ続けなければいけないのか」
「それにしても髪が伸びてきたな嬢ちゃん」
確かに髪は伸びてきていて今は顎のあたりで切りそろえているが襟足はもう少し長い。
「今回の煮込みも最高においしいですね!蒸留酒とも合います!」
くぴっと一口飲むと煮込みの濃さを蒸留酒が洗い流してくれる。
「こんな嬢ちゃんなのに酒はやるわ煙草はやるわで驚いたもんだが見慣れてきたな。」
「しかもなかなかのうわばみときた」
「しかしお前ら貴族と関わりあいになるなら注意しないといけねえぜ。どんな無理難題がくるかわからんからな。しかもお前らのところに来たのは転移者のお貴族様だろ」
「元冒険者なのでまだましだがな」
ガロンが肉にくらいつきながら答える。マッシュポテトも山盛りだ。
「だがやつらは探求心ってのが強い。人間知ってしまったらいけない領分ってものがあるだろう?そういった領分を取っ払って探求するだけの力を持ってるならまだしもまだ新興貴族だろうに。」
「護衛に武家の伯爵家がついてるのでどうにかなるんでしょう。これ以上は守秘義務があるので答えられませーん」
今日も煮込みがうまい。酒と合う。昨日は炭火で焼かれていたし薄切りにして野菜を巻いたものが出てきたこともあった。酒に合う料理が分かっている店主だ。ガロンはあまり酒が強くないので一杯しか飲まないが感がすぐれているのか酒に合う店を探すのがうまい。屋台にしろ宿にしろ。彼の第六感は常に彼のために働いているのだろう。
腹がくちくなり、程よく飲んだところで席を立ち休むことになった。
明日は何をしようかと考えていたところ、件の貴族様からの手紙が届いたのだった。




