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そうしてダンジョンへの護衛依頼が始まった。
そもそも銀級冒険者 である彼らの護衛はそれほど必要なく、軽く連携を合わせてからすぐ潜ることになった。ダンジョンに安心して潜る最低人数といったところだろうか。
「このあたりの土の採集をしていく」
一階層の草原エリアでの土の採集、主に毒草が生えている場所の土が気になるらしく採集をしていく。その間私たちは周りの護衛をする。私のことは近接戦闘もできる魔法士ということで紹介している。コバヤシのことは冒険中タカと呼ぶこととなっており、リリーフラメルのこともリリーと短縮して呼んでいる。
この場の採集が終われば深層へ向けて行動を開始する。
深層エリアには森林地帯もあるらしくその地点の採集もしたいのだとか。
レイスの階層は通常の攻略方法で行くことになった。
「右から来ます!」
聖水を掛けた剣でレイスを切り裂いていく。私の役割は炎系の魔術でかく乱させることくらい。レイスは聖属性でなくては倒すことができないのだ。魔術を使うのも神経を使う。
セーフティエリアで疲れた私は茶を用意していた。
「イシュドラはあといくつ魔法がある?」
これはあと何回魔法行使ができるかと聞いている。
「あと五回はいけます。マジックポーションも用意しているので無理しなければなんとか。」
茶をみんなに渡していく。もちろんコバヤシからだがリリーが受け取り渡してくれる。
「二人パーティだからか魔法の使うタイミングがうまいね。次の階層は何が出るんだったか」
「オーク階層ですね」
「それなら余程囲まれたりしない限り魔法の出番はないだろう。休んで回復してくれ」
コバヤシは気が利く人らしく、細かく気遣いをしてくる。その細かさが研究にいきてるのかもしれない。リリーは甲斐甲斐しくコバヤシの世話をしている。採集した土を入れた瓶に日付と何階層で採集したか書き込んだ札をつけたりまるで助手のようだった。
それでももともとは武に重きをおく家の出らしく、戦闘において頼もしさすらあった。貴族のようで貴族らしからぬ二人がどこか不思議だった。
不寝番は私とガロンが行うので二人にはゆっくり休んでもらうことになっている。慣れない環境下ではゆっくり休めないだろうし、そのせいで戦闘に影響が出てもよくないからだ。
肉階層を越え、七階層についたときだった。
階段をおりるとそこには森が広がっていた。ここで出る魔獣は牙鹿や狼系、一階層よりも上位種が出てくるらしい。
この階層での採集がメインとなるため毒草、薬草探しが始まった。
途中何度か戦闘はあったが問題なく採集は完了し、地上へと戻った。
地上へと戻りギルドへ護衛依頼達成報告をし、物品の売却などを行う。戦利品などはこちらがもらっていいということだったので特に割り振りを考える必要もなく、また今回は役立たずだった私が拾っていたのでまあまあな数の肉が、いや魔石などがとれている。積極的に戦闘を行ってないにも関わらずやはり魔獣との接触はあったのだ。
二人とはギルド前で別れ、私たちは宿へと戻ることにした。
「さて帰ろうか。イシュドラ」
「一服しながら帰ってもいいですか?道中吸うの我慢してたので」
「あぁそうだったな。いいぞ」
ガロンも気を使っていたようだ、表情がゆるくなっている。
私は煙草に火をつけ吸う。煙が体全体に行き渡るようで心地よい。ふーっと煙を吐きながら帰路につく。今回も肉が大量に取れたのでギルドへ売却するもの以外は宿へ土産にするつもりだった。ワルターさんの料理が今回もたのしみだった。
「今回の護衛依頼によって今後の活動によっては金級に上がる条件はそろった。あとはこのダンジョンをもう少し探索したいところですね」
「そうだな。イシュドラなら問題なく金級へ上るだろう。ただ今回の護衛はちと気を使った。二日ほど休むってのはどうだ?」
「同感です。」
魔術行使がさくっと出来ずに気を使った。
気を使った分休暇を楽しもうと決めて宿へ入っていった。




