五歳二月
あの頃の私は毎日が勉強だった。
現代語、古代語、この二つと聖皇国以外の常識について学んだ。
何度も何度も古代語を誰にも話してはならないといわれた。殺されてしまうからだ。
マケルスが来る度に現代語の書き取りを見てもらったり、甘いものをもらったりしていた。
木板に文字の練習を終えたら鉋をかけて削り暖炉の魔法陣へ入れ燃やしてしまう。そうしてサラになった木板にもう一度書き取りをしていく。覚えることが楽しかった。
「ししょうはどうやってこのことばをおぼえたのですか?」
私はこの話が好きでなんどもなんども師匠に聞いた。そして師匠はなんどもなんども答えてくれた。彼女は優しい人だった。
「くそ女神のせいで役立たず認証されてしまってね。私は生まれてすぐ誰よりも遠い地へ飛ばされてしまったのさ。」
鳥に運ばれ遠くの島へとたどり着いた師匠は師匠の師匠と呼べる方のもとで育てられたそうだ。そうして古代語をおぼえたと。
「独り立ちすることになった私は、そうしてまた大きな鳥に運ばれて私はこの大陸へと戻ってきた。」
どれくらい大きな鳥なの?とか風はつよくないの?なんて沢山の質問をした。そのひとつひとつにこたえてくれた。
「この家くらい大きな鳥だよ。そうだね嵐の中を進んだけれど風をよける魔術がかかっていたから感じなかったね。」
「その大きな鳥の名前がイシュドラっていうんだよ。私が独り立ちできたのはイシュドラのおかげさ」




