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目的の場所はすぐだった。
遺跡が木々に侵食され見る影もないほどの場所がそれだった。
「ここまで侵食されていたら調べようもないな。」
「それでも遺跡をつぶすように木が群生しているのは何か不思議じゃないですか?」
「それは確かにそうだが?」
ガロンが片眉を上げてたずねる。何を見せるのか気になるようだ。このフロアに今他の冒険者はいない。
「少し離れててください。」
短杖を取り出し触媒として自分の髪の毛を巻き付ける。残しておいてよかった。いくら周囲の魔素を使用するからと言っても限界がある。杖の性能もそうだが触媒を利用することによって魔術のコントロールが変わってくる。触媒といっても様々だが、この場合自分の髪の毛を利用するのが使い勝手が良い。
「炎の槍」
短杖に巻き付けた髪の毛が根元からじりじりと燃えていくにつれて先端に魔素が充填されていく。それに合わせて言葉を紡ぐと炎の槍が五本私の周りに現れる。じりじりと鳴る槍達を従え杖を向けると槍は発射され轟音を立てながら木々を破壊し燃やし尽くす。
くるりと振り返りガロンを見る。
「荒いですがこれで調査できそうですね」
「おいおい。まぁ魔女様ってところだな」
「なんですかそれ。怖いですか?」
「恐ろしいほどの威力だ。木々が炭化する程だ。だが頼もしくもある。底が見えないのは末恐ろしいがね、俺らは敵ではないことの幸運に感謝してるよ」
軽口を叩きながら剣で炭化した木々を除けていく。まだ若干火が残っているのと熱で熱いのだ。
「どうやら当たりのようだがどうする?」
木々を除けた先には鋼鉄製の扉が隠されていた。地面に扉。そして衝撃で崩れた遺跡。
扉は装飾がされており重そうだ。
「この扉が使えるのかどうかわかりませんが熱が冷めるまで昼食でもとりませんか?」
「それもいいな。おい、指先が赤くなってるじゃないか。」
触媒が燃えるのを抑えていた指がやけどしてるのだ。
「大丈夫です。軽いやけどですから。回復」
唱えると指先からひりつくような熱が徐々に薄れていき完治する。ポーションを取り出していたガロンが肩をすくめる。
「ダンジョン内だと魔素が充満しているのでいいですね。魔術が使いやすいです。もちろん普段だったらポーション使いますよ?」
「まったく君といったら・・・・・・まぁいい。ゆっくり昼食でもとろう。魔女の秘密は触れないでおくよ」
通常魔法職というのは単一属性しか魔法の行使が出来ない。なおかつ回復に関しては神官職しかできないのだ。私からすると魔術の行使にスキルを活用してるわけではないし、自身の魔力と周囲の魔素を使用して魔術行使をすることになにも違和感はないのだが、こちらの常識ではそうではない。なぜ古代語が廃れてしまったのか。不思議でしょうがない。
「屋台の串焼きと簡単なスープならあるのでそれにしましょうか。」
「あとは黒パンだな。」
ガロンには感謝している。通常、魔女は畏怖の対象なのだ。
聖皇国が積極的にスキル以外での魔術行使を行う魔女を悪の存在だと流布している。国内では魔法の行使さえ許されない。魔力とは、魔素とはなんなのだろう。




