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ダンジョンへもぐる前に森で軽くギルドポイントをためておいた方がいいとのことだったので、残りの三日は散歩へ出たり、雑貨屋で魔獣素材の中古のバックパックを購入したりした。
バックパックには刺繡で空間拡張を施した結果もとのカバンのサイズよりも小さくなったのに容量は大きくなった。中一日は荷物整理に時間を費やしたり、魔導書への書き込みの続きをしたりと忙しく、息抜きの森歩きが楽しかった。
「嬢ちゃんできてるぜ」
そう言われ防具一式を受け取り試着をする。肩回りが動かしやすくグローブも手馴染みが良い。かといえば胸から腹にかけて厚みのある生地で安心感がある。ベルトにナイフと短杖、サイドパックを取り付けるとしっくりきた。
「ありがとうございます。ぴったりです」
「もし成長しても横の網目から多少調整できるように太めに縫ってある。稼働性と調整の両面を持ってるから安心して使ってくれ!」
「ちょっと見ないうちに鉄級に上がってるんだから腕は立つんだろうね。けど無理はしないように気を付けなよ!」
と背中をバシっと叩かれた。このドワーフの夫婦は最初は気難しいのかと思ったが、話してみると気の良いドワーフで、最初は何かと心配されたものだ。
「では行ってきます!」
ガロンと二人手を振り後にする。今日はダンジョンについての打ち合わせを予定していた。ガロンの定宿へ行き話を聞くので屋台で食料を買い込んでいく。
「屋台もいいもんですね。こうやっていろいろな味を楽しめますから。」
「大分街にも慣れてきたみたいだな。おっとあそこの串焼きは買っていこう。ハーブ塩が効いていてうまいんだ」
わいわいと二人で話ながら宿へと向かった。
食べながら話すことが多いな、なんて思いながらガロンと向き合う。
「それで遺跡ダンジョン、通称ソーン遺跡について話していこうと思う。」
「ソーン?」
「そうなんだ。名前の由来はいたるところにルーン文字のソーンが書かれていることからきている。」
そういって広げられたマップには│>といくつか書かれている。
ソーンは警告や怪物などの意味合いがある。
「とても危険な場所ということですか?」
「それがそういうわけじゃないんだ。出てくる魔獣魔物はゴブリンや狼系が多い。囲まれなければ初心者でもそこまで危険性があるわけではなく、また一階層なんかは特に出現数が少ない。下に潜れば潜る程数が増えるので少し厄介だな。」
「何階層まであるんですか?」
「五階層までだ。だが下にいくにつれて広く複雑になっていく。マップもギルドで配布されているが新しい部屋が見つかることもしばしばある。」
マップは全部で五枚あるらしい。
「そしてダンジョンコアが発見されていない。」
ビシッと串焼きの串で説明されても緊張感に欠ける。つい笑ってしまう。
「つまりまだ未踏破のダンジョンなんですね。」
「そういうこと。そして君が一緒なら何か面白いことが起こりそうだ。」
「面白味のないダンジョンよりはいいですね。私の初ダンジョンですし。」
ソーンの文字はどの階層にも書かれているようだ。
「人と遭遇する確率、他の冒険者に会うことってあるんでしょうか?」
「いたとしても低級冒険者くらいだな。三階層くらいからはほぼすれ違いが起こることはない。」
それなら、と。
「私は後衛でファイヤーアローぽいのを撃つので前衛は任せていいですか?」
「もちろんだ。ところで君は一体いくつ魔法を放てるんだ?」
にこりと微笑んでおく。
「安心してもらって大丈夫ですよ。ルーン文字についてはあまり詳しくはないんですが遺跡というのがすごく気になりますね。どこかに何かがあるかもしれないのでゆっくり回りませんか?」
「遺跡調査か、楽しそうだ。日帰りで帰る冒険者が多い。泊りで行ってもいいな」
四角い新しく購入したバッグを叩く。
「食料はいくらでも入れられますし、ある程度なら荷物も預かりますよ?」
ガロンはにやりと笑った。
「俺のスキルが、いや俺自身が楽しくてしょうがない。冒険者ってのはこうでないとな。わくわくしてきた。」
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