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翌朝日が昇ると共に背伸びをして体をほぐす。
テントを片付けつつ湯を沸かし茶を入れる。
夜半に何度か警戒を怠っていないかの確認があったが無事乗り越えられた。辺りを見渡すと寝ぼけ眼でなんとか耐えてる組がほとんどで元気そうなのは私くらいかもしれない。
新人冒険者で森で一泊というのは中々大変みたいだ。
引率の銀級冒険者もそろそろ片付けに入っている。他の新人冒険者たちがテントを仕舞い終えるまでゆっくりできそうだ。
朝の森は静かだ。これから生命活動が始まり葉の重なり合う音以外の音色が増えていく。
濃い森の香りが心を静めてくれる。この時間が好きだった。
角鹿の角と毛皮は引率の先輩方に持ってもらえるようなので行きとたいして変わらない荷物で森を出ることになる。マジックバックを持ってきていないことになっているので当たり前なのだが。
「というわけで鉄級冒険者になりました。」
ことの顛末をガロンに伝える。彼はそうなるだろうと見越して冒険者協会で待っていた。
「最短の最短でいったな。ま、これでパーティが正式に組めるようになる。よろしくな」
「こちらこそよろしくお願いします」
握手を交わす。パーティ編成には協会への届け出が必要になるらしい。
パーティ名はどうする?と聞かれた。
「魔女ハンターとかでいいんじゃないですか?」
「その名づけはどうだろうか・・・・・・」
「スキルでいい感じの名前思いつきません?」
適当だなあと笑いながら顎に手を当て考え出した。
「終わりなき旅、始まりの旅、とかそんな感じでどうだろう。」
「いいと思います。実際終わらなそうですし。」
終わりが怖い旅とでも言えるだろうか。始まりの旅というのも語感が良いがどこかしっくりきてないらしくガロンはまだ悩んでいる様子だ。
「あとはそうだな、黄金の酒とか」
「ガロンさんはそれでいいんですか?」
酒というのはいずれ師匠に世界で一番うまい酒を手土産にしようと話したからだろう。
「俺もあやかりたいものだからな。よしこれにしよう」
さくっと登録を終えた私たちはギルド併設の酒場で軽く打ち上げをすることにした。
これからの冒険と、初心者講習会での成功を祝っての打ち上げだ。成人は十三からなので私も軽く酒を飲むことにした。昼間から飲む酒のうまさといったらない。時間帯的にもギルド内の冒険者はまばらでゆっくりと出来そうだ。
「そういえばガロンさんは何故冒険者になろうと思ったんですか?」
「ガロンと呼び捨てでいい。そうだなぁ農家の四男として生まれたんだが昔から臆病者でな。だからこんなスキルが生えてきてしまったのだろうが、よくある冒険譚に憧れてっていうのもあるし、農家の四男だとまともな農地ももらえないからな。外の世界に出ようと思った。」
「今までパーティとかは?」
「俺のスキルが言うんだ。今じゃないってな。ずっとそうだった。
でも今は違う。今だって言うんだ。だからイシュドラと組みたいと思った。今でも間違いだと思わないし見られなかったものがみられるかもしれない。」
腸詰肉をかじりながらガロンが言う。
「俺も今年で二十六になる。年齢的にもまだまだこれからだ。今までうまくいってきたのも今日この日のための準備だったのかもしれない。
イシュドラはどこか行ってみたい場所はあるか?」
「ダンジョンに行ってみたいです。この街のダンジョンは遺跡型ってガロンが言っていたでしょう?」




