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「こりゃよく獲れた毛皮だ!」
無事入国できた私はガロンが常日頃世話になっているという防具屋へと連れ立ってきた。
「傷もほとんどなくなめしもまだだな。適当になめされてちゃいい防具は生まれねえ。」
店主であるドワーフのハイドウは嬉しそうに毛皮を丸めている。私の革鎧を作ってもらうために妻のルルエラから採寸を受けているところだ。
身軽さが第一なので斥候職がつけるような防具でお願いをしている。それでも革が余るとのことなのでナイフなどが差せるベルトと指ぬきの手袋もお願いした。
「良い革だ。まだ若い赤熊だから革が少し柔らかいが胴体部分は二重にして強度をつけておこう。一週間で仕上げてやるさ。久しぶりに良い獲物だからな」
超特急で仕上げてくれるそうだ。革をなでる手が職人のそれで、早く済ませてくれるならこちらとしても嬉しい誤算だった。
「よろしくおねがいします」
「粗暴なやからが多いなかこんな嬢ちゃんなら歓迎さ。さて早速仕事にとりかかるとしよう。ガロンはいいのか?」
「俺は今回の遠征で摩耗も何もなかったからな。面白いものが獲れたら持ってくるさ」
武器も取り扱っているらしく、短杖を購入しておく。
ベルトに何をどの位置で差すかの確認だけ念入りに行った。
冒険者講習会は三日後に行われるらしく、それまでに旅装を整えて一泊できる様にとのことだった。
すでに準備するものはなかったが何も付与されていないバックパックと簡易テント、携帯食料なんかを購入しておいた。
途中魔道具店でさらの魔導書を購入し自分の魔力登録を済ませた。これで登録魔力以外で無理に開こうとすると発火する仕組みになっているらしい。
ここまで付き合ってくれたガロンに礼を言い別れる。
金銭的に余裕があるがガロンが泊まる宿よりもランクを落としたところに泊まることにしたからだ。誰が見ているかわからないからだそうだ。それでも個室で鍵がかけられるだけで十分だ。一週間分程先払いしておく。
食事が必要な場合は先に伝えていれば準備してもらえるようだったが今日は屋台で済ませることにした。
やっと魔導書が手に入ったのだ。自分の魔導書が。手元には師匠の魔導書もある。私が見れるわけではないが。今まで書き留めてきたものをまとめることができる。こんなものもあったななんて思い出しながら書き込んでいく。
私が自分の名前を失ったときから古代語の勉強が始まった。
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