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 驚く程順調な旅路だった。

 その間も私とガロンは今後について止めどなく会話が続きある程度の目安はついた。

 まずは帝国へ入国し、冒険者登録をしてから鉄級へと上げる。それからガロンと正式にパーティを結成。ダンジョンに入ったりしながら転生者からの接触を待つ。

 この世界へ転生者が訪れてから約十年。彼らは何のためにやってきたのか未だに分からない。ただ神がもたらした者たちは我々とは違う次元の知識と強さをもって国々へ恩恵をもたらしている。

 転生者は転生者同士で交流があるらしく、師匠が共に行動することを諦めた他の転生者達に会ってみることで一体何が行われようとしているのかが分かるのではないかと思ってのことだ。


「次の者、身分証を」


「金級冒険者ガロンと鉄級冒険者スウェンだ」


 冒険者タグを見せるのに合わせ私も取り出す。それだけだった。


「また聖皇国へ是非どうぞ」


 門番の騎士は簡単にチェックを済ませる。冒険者を積極的に誘致しているのは本当の話らしい。

 道中でも話したが近年聖皇国内での魔獣の出現が増えてきているようだ。

 元来聖女の結界により魔獣は弱体化されただの獣しか現れなかった。結界のほころびは無いにも関わらず魔獣化する獣が増えてきている。その為上位の冒険者が優遇されるようになってきているとか。

 出国に荷物検査が無いのもその一つだ。銀級から入国は可能であるが金級ともなれば荷物検査もされず簡易的な確認だけで済まされる。


「出国した気分はどうだ?」


 門から少し離れたところでガロンが言う。


「拍子抜けですね。」


 こんなにもあっさりと出られたら感慨も何も沸かない。

 だがここからだ。ここから始まる。


「ここから帝国まで昼過ぎには着く。騎士長に顔が利くので入国もすんなりといくだろう。」


「そして入国してからは冒険者となるのですが、鉄級に上がるまでは大体どれくらいかかるものなんですか?」


「最初の登録者講習会が終われば角兎(ホーンラビット)、素材採集、人型(ゴブリン)なんかをサクッと済ませてポイントを貯めればすぐさ。

 通常なら(ラット)なんか狙うよう勧めるがイシュドラならさっさとゴブリンを狩ってポイントを貯めたほうがいいだろうな。

 早い冒険者なら一週間もあれば鉄級に上がる。そこからは大型の赤熊(レッドベア)角鹿(ホーンディア)なんかが討伐出来るかどうかで変わってくる。ま、余裕だろうよ」


「なるほど、それなら先に防具屋で狩ったレッドベアの革で防具を作りたいんですが連れて行ってもらえますか?」


「もちろんだ。なめしは終わってるのか?」


「まだですね。とれたてのままですので」


「二週はかかるかもな。丁度鉄級に上がってダンジョンに潜る頃には間に合うだろうさ」


「あとは短杖が欲しいです」


「杖なんて使うのか?」


「指向性の問題であると便利なんですよね。それと偽装にも。これでも体内魔素を使って魔法を行使することもできるので」


「便利なこった。あとはそうだな。敬語だと浮くぞ」


「これはもう癖なので直しようがないですね。」


 どっかの商家の出身てことにしておくか?

 そんな風に会話をしているうちに帝国領へつき、門へと向かう。冒険者窓口と商人などの窓口は違うようで一般の窓口へとならぶ。私が身分証を持っていないからだ。

 ここまでガロンと共に旅をしてきて、寝食を共にしてきたが嫌な気持ちになったことがない。お互いあまり深くまで探らず、話せることは自分から話していくスタイルできたしガロンもそれに合わせてくれた。見かけによらず思いやりのある男だと思う。私が十三、ガロンが二十四歳ならそんなものかもしれない。いい出会いをしたことに感謝をしている。もしも何かあった場合でもどうにかなるわけでもないというのが強いかもしれない。


 新しい世界、新しい冒険、少し浮かれている。師匠に持ち帰る話が増えるだけだ。

 

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