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「まずガロンさんの言う通り私は魔女と呼ばれるものです。」
赤茶の髪をした男は好奇心が隠せない表情でこちらをみている。この国では魔術全般に関わることを禁忌とされているのでなんか拍子抜けしてしまう。
そもそも魔法使いと魔女との違いとは。この国では魔法を扱う人間全てを一括りに魔女と呼ぶが、実際には大きく分類が違う。まず魔法形態が違うのだ。
魔法使いは自身のスキルツリーを開放していって魔法を覚えていき、自身の内蔵魔力を使用するのに対し、魔女は違ったアプローチで魔法を使う。
簡単にいうと古代語を扱い魔法陣を使って周囲の魔素を利用した魔法の行使だ。
煮炊きするにも普通の魔法使いは火魔法持ちが、もしくは火の魔石を使用して焚き木に点火する。
魔女は違う。魔法陣を描く。煙も少なく人に発見されにくいが風情はない。あるのは理論のみ。
「それで? 俺のスキルがこの地へ呼んだのは君とただ出会うだけじゃないだろう?」
「転生者にあったことはありますか?」
「ある。あまり好ましくない奴らだがね」
「師匠もそう言っていました。私の師匠も同じく転生者です。ですが、他の転生者達と折り合いが合わず個人で活動していった結果が魔女です」
コミュ障と言っていたのは伏せておこうか、アーメン。
「個人で活動しただけで魔女になれるところが転生者様だな・・・・・・」
「それには私も同意します。ただ、この国での滞在がバレてしまったようで今は行方不明なんです。」
「なるほど。合流をしたいと考えてるのか?」
「いずれは。今は国外へ抜け出し新しく身分証を手に入れるところが優先です。このままこの国に滞在していても師匠を探すことは難しいでしょうし」
ごそごそとバックパックからフライパンと香草を取り出す。単純にお腹がすいたのだ。
「食事にしませんか? 丁度レッドベアの肉が手に入ったんです」
「いいのか? いや、まさかだが容量に制限はないのか?」
「バックの素材によって容量が多少変動しますが普通のマジックバックよりも入りますよ。このバックパックで大体一軒分の荷物が入りますから」
サイドポーチからレッドベア肉を取り出し軽く包丁で筋切りを入れ、香草を揉みこむ。
あとは熱したフライパンで焼くだけ。魔獣肉は寄生虫もつかずほぼ生の状態でも食べられる。特にレッドベアは身が赤く焼いても焼き色がわかりにくい部類でもある。
「欲を出すと魔女が消えると聞いたことがあるんだが?」
「たしかにそうですね。今はバックパックについてですか?それとも肉について?」
ガロンは両手を挙げて降参だと言った。
「肉に感謝を、神の恵みに感謝を、魔女に感謝を」
肉の焼けるいい香りがする。
「出国にはスウェンの冒険者タグが使える。帝国への入国には伝手があるので任せて欲しい。
ただ命の水についてもう少し詳細を知りたい。」
「もちろんです。この国の暗部についてお話しましょう。」




