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スウェンという冒険者から聖皇国へ連れて行ってほしいと何度も頼み込まれた。鉄級のまだ十五歳かそこらだ。俺の直観が行くべきだと何度も訴えかけた。だが何故そこまでして行きたいのか理由を聞かせてはくれなかった。聖職者でもないただの剣士が、だ。魔獣だっていないとされている国へだぞ。
だが俺はスキルには逆らえなかった。好奇心もあった。冒険者だからな。
けれどもある夜スウェンが手に入れた荷が気になってな。威圧も込めて問い詰めるととある貴族からの依頼だと吐いた。莫大な金が手に入るとも。その貴族の娘が大病を患っていてその薬だと抜かすんだ。こんなモノをだ。明らかに禁制品であるモノを帝国に入れるのを俺は許せなかった。それに利用されることもだ。
木に寄りかかりながら、ガロンは語った。
「イシュドラ、君はどう思う。」
「その話を聞く限り、禁制品のワインがこの国からよその国へ流れているのは一本や二本ではなさそうですね。」
僕は茶でも淹れようかと地面に魔法陣を書き始める。
「まて、それは何だ。」
「まず禁制品のワインですが、命の水。命の水と呼ばれる幻覚作用のある言わば麻薬が混ぜられたワインです。この国独自の麻薬がね。」
二つの重ならない円の中にφωτιά για γιορτήと書き込むだけだ。これで火が起こせる。
「おそらくその貴族は娘さんが助からない、もしくはもう末期だと知っていたんでしょう。だから痛みを和らげるために命の水を欲した。そんなところじゃないでしょうか。」
「だからと言ってそんなもの持ち出す道理はない。」
「分かりますよ。あんなもの非人道的です。麻薬が必要なら自国でも似たようなものが手に入るでしょうに。」
バックパックから小鍋を取り出し火にかけ茶葉を入れ煮出しカップにいれたそれをガロンへ差し出す。
「魔女は実在したのか。」
さらに小壺を取り出し尋ねる。
「ガロンさんのスキルはどう判断しますか?」
「信じるべきだと。」
「それならこの柑橘系の皮の砂糖漬けを茶に入れるといいですよ。私も相談したいことがあるので甘いものでもとりましょう。」




