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 最初は小熊があまりにも多かった。


 母熊らしき個体が出たあたりから警戒を上げなければならないはずなのにこのパーティは休憩を取り始めた。


 そいつは音もなくやってきた。


 妻と子供の復讐者として。



 魔獣が出ないと言われている聖皇国でも、まれに魔獣化する個体が存在する。

 目は赤く、そして強く。

 この個体は魔獣化してまだ若いのか体長は三メートルもなかったが、妻の亡骸を見て激怒していた。


 最初にアマミが細切れになり、ギルが狙われたがルーナが禁止されてる火魔法を放った。

 鼻先に当たったそれをなんともせずルーナも細切れにした。それだけ怒り狂った状態だった。

 僕は空間拡張されたサイドポーチからミスリルのナイフを取り出した。これを使うことになるとは・・・・・・。ギルの剣が頭蓋に当たり折れ吹き飛ばされたところで背後を駆け上がり頭部にナイフを振り下ろした。刃を回転させ脳漿を破壊し即座に離れる。まだ動く可能性があったからだ。


 レッドベアの目に光がなくなったところで周りを見渡す。

 アマミ、ルーナは即死。ギルはかろうじて生きているが肉体は分裂しかかっている。

 もう長くはないだろう。


 レッドベアを料理スキルの解体で毛皮をとり、サイドポーチにナイフとともに収納する。

 二人の冒険者タグと持ち物をあさり金銭だけもらっておく。

 ギルにも同じく。


 帰路につきながら今日中に宿を引き払って街を出ることを決めた。



______________________________________


 酒場で食事をとりながら周囲の会話に耳をすます。新しい情報は無し、と。

 そこで目の前に長身の男が座った。


「同じものを」


 なんて店員に頼んでいる。

 ギル達の知り合いか、警戒をする。


「まあ待て、飯が来てからだ」


「同じことをした同志、協力しないか?」


 男はそう持ち掛けてきた。

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