第54章
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「だめ。」なぎが言う。力強く。
「ぃぃの。・・・まじで、」おれは、笑って。
「したいの。・・・・」おまえがおれのに、手を伸ばそぅとする。
?!
「・・・・だめだって渚。」
急いでそのおまえの・・・手を取って。・・・不思議と、感触が・・・ある。
「なぎ、愛してる。」その手を取ったまま。おまえの。唇に近づいたまま、囁いた。
「・・・・。」
「愛してる。」
「たけし。」そう、また呼び合うと、
お互いの首に片ほうの手を廻して。
激しく、唇を合わせて、また、キスをし合った。
その手で髪を、まさぐって、
もう片方の手は、繋ぎ合ったまま・・・・お互いに、触れ合う指先に。そのまま・・・指と指を硬く、つなぎ合わせた手に、唇に、感じる唇に。
同じだけの。思いを感じる。
・・・おれは、知ってる。
なぎさは。
おれを好きだとは。愛しているとは。
決して言ってはくれない。例え、夢ん中でも。・・・・・
でも。それでいぃ。
その方が。・・・いい。
「・・・・。」
「なぎ、愛してる。」
「・・・。」
「愛してる、・・・なぎ。」
おれが、言うのは許してくれる。
「なぎ、渚、愛してる。愛してるよ・・・・・」
心から。想うままに。存分に、おれは告げる。
溢れるまま。おまえの、心にまで・・・届くように。
・・・間に合う、うちに。
何度でも言う。おれを思って。おれに言わない、おまえに。
心を・・・未練を残さないように。それくらい・・・・・
おれにだって、分かる。
おまえの心にはいくらでも、・・・残そうとするくせに。・・・
そんな風にいつまでも。いつでも。おれはおまえに。
甘えて。
散々、甘えて、甘えきっておまえもそれを。許して。・・・・・
どうして、だろうな。
いつまで経ってもおれは。・・・・・ひとに、甘えてばかりで。
愛したやつ。誰も、ひとりも・・・一人でさえ満足に。
結局、満足に、救ってやる事も。助けてやる、事もできない。
おれが幸せにして。やることも・・・できない。
・・・・ふ。
・・・っぅ、・・・ぅ、ぅ。・・・・・
・・・ふっ・・・・・
・・・ぇ、
・・・ぇっ・・・・・・・
・・・ぅ、・・・っふ、・・・・・・
声を。あげて泣いた。
夢のなかで何度も。腕で何度も。何度も、流れる、涙を拭いた。
どうして、なんだよ。どうして。・・・・なんだよいつも。いつも。・・・・
いつまでも・・・・どうして何も。・・・できないんだ。・・・・・
・
どうして・・・・・
・
・・・・ふ、・・・・っぇ、・・・・・
・
・・・そんな、おれを見て。遠くから、・・・じっと、泣くおれを見て。おれは言った。
もう、大丈夫だよ。大丈夫だ、って。
・
心配すんなよ、おれ、・・・ひとつだけ、
凄ぇいい方法、・・・見つけたんだから。
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