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「A」  作者: みんと*
54/64

第54章



「だめ。」なぎが言う。力強く。



「ぃぃの。・・・まじで、」おれは、笑って。



「したいの。・・・・」おまえがおれのに、手を伸ばそぅとする。



?!



「・・・・だめだって渚。」



急いでそのおまえの・・・手を取って。・・・不思議と、感触が・・・ある。



「なぎ、愛してる。」その手を取ったまま。おまえの。唇に近づいたまま、囁いた。



「・・・・。」



「愛してる。」



「たけし。」そう、また呼び合うと、



お互いの首に片ほうの手を廻して。



激しく、唇を合わせて、また、キスをし合った。



その手で髪を、まさぐって、



もう片方の手は、繋ぎ合ったまま・・・・お互いに、触れ合う指先に。そのまま・・・指と指を硬く、つなぎ合わせた手に、唇に、感じる唇に。



同じだけの。思いを感じる。



・・・おれは、知ってる。



なぎさは。



おれを好きだとは。愛しているとは。



決して言ってはくれない。例え、夢ん中でも。・・・・・



でも。それでいぃ。



その方が。・・・いい。




「・・・・。」



「なぎ、愛してる。」



「・・・。」



「愛してる、・・・なぎ。」



おれが、言うのは許してくれる。



「なぎ、渚、愛してる。愛してるよ・・・・・」



心から。想うままに。存分に、おれは告げる。



溢れるまま。おまえの、心にまで・・・届くように。



・・・間に合う、うちに。



何度でも言う。おれを思って。おれに言わない、おまえに。



心を・・・未練を残さないように。それくらい・・・・・



おれにだって、分かる。



おまえの心にはいくらでも、・・・残そうとするくせに。・・・



そんな風にいつまでも。いつでも。おれはおまえに。



甘えて。



散々、甘えて、甘えきっておまえもそれを。許して。・・・・・




どうして、だろうな。



いつまで経ってもおれは。・・・・・ひとに、甘えてばかりで。



愛したやつ。誰も、ひとりも・・・一人でさえ満足に。



結局、満足に、救ってやる事も。助けてやる、事もできない。



おれが幸せにして。やることも・・・できない。






・・・・ふ。



・・・っぅ、・・・ぅ、ぅ。・・・・・



・・・ふっ・・・・・



・・・ぇ、



・・・ぇっ・・・・・・・



・・・ぅ、・・・っふ、・・・・・・




声を。あげて泣いた。



夢のなかで何度も。腕で何度も。何度も、流れる、涙を拭いた。




どうして、なんだよ。どうして。・・・・なんだよいつも。いつも。・・・・



いつまでも・・・・どうして何も。・・・できないんだ。・・・・・





どうして・・・・・





・・・・ふ、・・・・っぇ、・・・・・






・・・そんな、おれを見て。遠くから、・・・じっと、泣くおれを見て。おれは言った。



もう、大丈夫だよ。大丈夫だ、って。





心配すんなよ、おれ、・・・ひとつだけ、



凄ぇいい方法、・・・見つけたんだから。




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