第31章
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「ひどい。」
「え?」
「もぅ。・・・」なぎが、おれの隣に座ってぴったり、身体をくっつける。
「・・・・。」少しだけ。
なぎとの間に、隙間を作る。
「どうして、あんな風に言うの?」なぎさはそう言って、また。
「・・・・。」身体を、押し付けて来る。・・・なんだよ。
・・・やめろよ。・・・・・
「もぅ。僕の話、聞いてる。・・・?」
「・・・・。なに、?なんの話、してたっけ。」
「もう。」
もうもう言う、なぎを横目に。ベンチの。一番端にまで、きたおれは。
もう。行き場をなくし、なぎの体が密着する、ままになった。
「毅くんに、ストレートにあんな、事言って。」
「どうせさ、人間。」
「・・・・。」
「死ぬときゃ、死ぬんだよ。」おれは、前を見ながら言う。おまえの。顔が近すぎて。
横を見れない。だから、自然とまた。優しくない、言い方になる。
「遅かれ早かれ。だったら、本人が死にたいって言うならさ、死なせてやればいいじゃんか。」
「・・・・。」
「それを、死ぬなって言うのはおまえらの勝手だろ。どうしておまえ達に指図、されなきゃなんないの?」
「じゃぁ、あなたもそうなの?」
「・・・。」
「そう、思ってるの。・・・?」
「・・・・。おれは。」・・・初めて、おまえの顔を見た。
間近で。真剣な顔をしておれに、向き合う。その顔を見て。おれも真剣に答えた。
「おれの。命は父ちゃんと母ちゃんの。もんだ。」
「・・・・。」
「おまえらに指図される、筋合いは、・・・ない。」
「違う!!!」
「!!」
・・・びっくりした。
おまえが。急に叫んだから。
「なんだよ。・・・」目を丸くして、おまえを見る。
「何が。・・・違うんだよ。・・・・」おれは、そのおまえの。勢いに気圧されて。
上体を、逸らす。その目が。・・・あの。いつもは優しいその瞳が。今は。燃えているように・・・赤い。
「あなたは、間違ってる。」
「何がだよ!!」
「ひとの、命は誰の、ものでもない。」
「・・・・。」
「神様の、ものだ。」
「は!!」おれは大げさに、笑ってみせた。
「神もほとけもあるかよ。」
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「あって。・・・たまるもんか。」
「・・・・。」
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