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「A」  作者: みんと*
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30/64

第30章

・



「・・・。」



「・・・・。」



・



「・・・ぅ、ぇっほ、・・ん・・・・」



「・・・?」



不自然な。咳を、して。・・・・




「・・・大丈夫?」なぎが言う。


「・・・。なに、が・・・?」


「咳、・・・・ぁ、煙草!」


「吸ってねぇよ。」


・


「吸ってねぇってば。」おれは、笑って。


疑わし気な、目を向ける。・・・なぎを、見る。


いつもと。何も変わらない様子で。


・


廊下を。ふたり、連れだって、・・・歩く。


まるで何事も・・・なかったかのように。


おれが、ほっぺにキスしたこと・・・・


忘れてんのかなこいつ。・・・・・


・


・・・。でも。


・


正直、有難いとも、思っていた。


ワケを聞かれても。


答えようがない。ただの気の迷いとしか。


言いようが・・・ない。


・


またあの目を閉じた・・・なぎの顔が、頭ん中浮かんで。・・・・


苦しくなって、息を吐く。


なぎの。後ろの頭を見ながら。


その髪にも確かに、この手で触れたのに。・・・・


何故か何も感触を覚えてない事。


不思議に、思った。


・


・



「おまえ、何度も自殺しかけた、ことあるんだってな。」ディルームのテーブルを、四人で囲む。


なぎさに誘われて。


向かった先に二人がいた。


椅子に腰かけるなり、突然、そう言ったおれを、翼が凄い、顔して睨む。



「なぎ?」翼が。・・・やけに鋭い目線を向けて。


「・・・。たけし君。・・・・」なぎさが、心底困ったような。顔をしておれを見る。


「いーじゃんかよ、なんも。隠し事なしで。おまえ、根性あるな。」おれは。毅の肩に、ぽんと手を置いた。


「・・・・・。」


「死のうなんて。なかなかできる。事じゃねーぞ。」


「軽々しくそういう事、言わないでください。」翼が厳しい声で、おれをたしなめる。


「あ、自殺防止プログラムがだめんなるから?」


「・・・・。」


「そんなさ、マニュアル通りになんて。いかねっつぅの。」


「・・・もぅ。・・・・」なぎが深く。溜息を、ついて。


おれは毅に目線を向けると。

 

「おまえもう。自殺なんてすんなよ。」


「・・・。」


「あれって苦しいやつ多いじゃん、」


・


「・・・それかバレないとこでこっそりやれよ。」すっと、毅のそばに近寄って、そう、耳打ちした。


「以上。おわり。」


おれは立ち上がり、そう言って。思い切りう~~んと。伸びをした。

 


・

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