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「A」  作者: みんと*
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29/64

第29章

・


・・・。


柔らかかったな。


なぎのほっぺ。


あれから。何度も何度も、繰り返し、思い出す。


ほらなんだ、ふわふわの。あの白いお菓子。・・・・・


そうだ、マシュマロみてぇ。



「・・・。」



その柔らかな頬に、そっと。唇で触れた。


その感触をまた、思い出して。


あったかくて。優しくて。でも少しだけ、期待したより、冷たくて。


まるで、なぎみたいな。


ココロが。ふるえる。心臓が。きゅぅっと苦しく・・・なる。


痛ってぇ。思わず身体を、折る。


痛いのは、キライだった、はずなのに。ずっと。・・・・


嫌だったのに。



これは、嫌じゃない。



この痛さは・・・イヤじゃない・・・・



またなぎの。顔を思い出す。


急に、顔が熱っつく、なるのを感じる。


そしてまた、あの。


きゅぅっとなる、胸の痛み。・・・・


痛い。・・・けど心地いい。


なぎ。・・・・


すぐに。たまんなく、会いたく、なるのな。


これって。なんなんだろな。


会いたいな・・・なぎ。・・・・なぎさ・・・・・



・・・ちゅ・・・ちゅっ。



いっぱい。キスしちゃったな。


おれ。・・・・・



なぎ。・・・・・・


枕をぎゅぅっと、抱き締めて、そこに、頬ずりする。


なぎだと思って、心を込めて、・・・キスをする。



両方の、ほっぺに。あとは例えば・・・まぶたに、


唇の。すぐ横に。



・・・唇。・・・・・



あの可憐な。可愛い、唇にも。キスしたかったけど。



キス、してぃ。・・・?


そう、言って。・・・・そう言ったら。


いっぱいして。?・・・なんて。あいつもそんな事。言っちゃってさ。・・・・


それで、おれは。いっぱい、いっぱい唇くっつけて、あいつに。キスすんの。


なぎ、・・・くち、開けて。?


そう聞いたら。素直に、開けてくれそう。あいつ。


ふふ、なんて・・・笑って。


もぅ・・・なんて言っちゃって、いつもと同じように、おれを許して、笑って・・・そのあと。・・・・・



閉じたまぶたの裏に。


なぎの可愛い顔を思い出して。


そうしながら。


なぎと。深く、キスする事を。想像した。



「・・・。」はぁ。・・・・



枕に唇を。押し付ける。・・・・


目に浮かぶ。


なぎの開いた、唇と。舌を想像して、・・・また夢中で、キスをする。


口をあけて、舌を絡め合って。唇で、ぴったり。なぎの唇を、塞いで。・・・・息も。させない位・・・・・


カラダとカラダ同士。


求めあうみたいに、抱き締め合って・・・・・






「こんにちは。」


「・・・・。」


ぱっと。目を開けて、枕から、顔を上げた。



・・・はぁ。・・・・・心の中で、深く、深く息を、つく。




「なに。」


「・・・・。」


「食べてたの?」


おまえが。嬉しそうに、楽しそうにそう、おれに聞くから。



「おまえ。」



そう、頭の中で思いながら。


おれは言う。



「・・なんも、食べてねーよ。なんも。食べられねーもん。」


「・・・。そうでした。ごめんなさい。」


「いいよ。そんな顔、すんなよ。」

 

おれは、照れを隠して・・・・笑って、そう言って、答えた。



・

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