蟻使イハ語ル
全員なんとか無事にシャワーを浴び
薊野、霧無、灘はすやすやと眠っていた
薊野は自室で、灘は霧無と共に霧無の自室で眠っている
深江は蟻塚と元町と共にノートパソコンの画面を凝視していた
元町「俺も最近エリートになったばかりだからそこまでの権限があるか分からないぞ?」
深江は元町のIDで『帝』について調べていた
蟻塚「ワーストって言ったか?、そのIDで駄目なら俺のカースってIDも駄目だろうな」
蟻塚は眼鏡を拭きながら言う
深江「でも未だに発行例が無いカースIDならまだ手付かずの情報とかありそうですね」
深江の言う通り、カースIDの存在は多くの人が知っている
しかしカースID所持者はいない
大体はワーストで止まるからだ
カースIDの発行に必要な基準は
・前科持ちであること
・その前科は能力によるもの
・自信の体を蝕む程の能力であること
・ワースト以上に何かが欠落していること
主にこれらの審査をクリアした場合に課されるのである
蟻塚「でもな〜、何かしらの欠落って言われても俺達3人共バラバラだけどそれでも通るんだな」
蟻塚はカースの説明をスマホで見ながら言う
元町「そうなんですね、と言うより欠落しているんですか?」
元町は不思議そうに応える
深江もその事について気にはなっていた
薊野も霧無も今目の前にいる蟻塚も自分達となんら変わりはなさそうだが
蟻塚「しているけど、聞くか?」
蟻塚は問う
深江「気にはなりますね」
深江は正直に答える
蟻塚「いいぜ、教えてやるよ」
深江と元町は蟻塚の目を見て聞く
蟻塚「・・・・調べ物をしながらでいいぞ、まじまじと聞かれると恥ずかしいからな」
蟻塚がそう言うと、深江と元町はパソコンに向き合い元町のIDで調べる
蟻塚「まず薊野、あいつが失っているのは恐怖心だ、でもあいつは恐怖心があるフリをする」
蟻塚は語る
蟻塚「そして霧無が失っているのは理性、でもそれは感情で抑えつけている」
時折深江は指を止めるが、めぼしい情報は見つからない
蟻塚「で、俺が失ったのは罪悪感だ、だから周りの雰囲気に合わせる」
結局エリートIDでは見つからなかった為、蟻塚のIDを打ち込む
蟻塚「なんで欠落した部分を補うか、それは一般人らしく振る舞う為だ」
深江と元町はその一言に動きが止まる
深江「・・・一般人らしく?」
蟻塚「そう、その方が警戒も解きやすいからな」
蟻塚は真面目な顔でそう語る




