波乱後一泊夜ハフケル
薊野、蟻塚、霧無宅
沈黙
結局あの後は伊丹以外の全員が疲労困憊状態だった為、近くの薊野達が住む家に転がり込み、灘の治療を受けていた
無傷だった伊丹は中でも重傷だった薊野と灘を運びこむと『帝』と言う言葉に興味があるらしく何処かへ行ってしまった。
深江「・・・・・・・・・・・・」
包帯だらけの深江はショックで黙ってしまっている
蟻塚「・・・所で、この子はどうする?」
蟻塚は入り口付近にある少女の死体を見る
元町「とりあえず、さっき学校の殉職課の人に連絡したんで折り返しの連絡が来たら死体を運んで行きますよ」
この学校では能力関係の事故が多い為、その場合の死亡は殉職とみなされるのだ
灘「・・・私もさっき学校の教務課の先生に連絡を入れたんだけど、5日間は霧無さん達も含めて全員、療養に励めって言ってくれたわ」
灘は浮かない顔で経過報告をする
深江「5日間・・・・・・」
深江の言葉に全員が判断する
薊野「その期間中に帝についての情報を集めれば何とかなるかもね」
薊野は代弁するかの様に続けた
深江「ちょっと家で調べ物してきます・・」
深江は立ち上がる
蟻塚「待てよ」
蟻塚がそれを制す
蟻塚「精神的に不安定な状態のお前が今外に出ると危うい、ノートパソコンなら俺のを貸してやるから」
そう言うと蟻塚は奥の部屋に行ってしまった
全員が気を遣う中、深江は分かっていた
落ち込んでいる場合じゃないと
しかし何かがつっかえて上手く話せない
薊野「気持ちは分かるよ、焦らず、ゆっくり話したらいいよ」
薊野は深江の気持ちを分かっているのか、ボソッとそんな事を言う
霧無「まぁ、とりあえずご飯の用意でもしますね〜」
灘の治療を受けていた霧無は手当が終わると立ち上がり、キッチンの方へ向かう
テテレテッテッテッテ♫
その時、灘と元町の携帯が鳴る
灘「ちょっと席を外すわね」
元町「お、死体運びか」
二人は外へ行ってしまう
薊野「そういえば、君の部屋の方は大丈夫なの?」
薊野はふとそんな事を聞く
空き巣などにあったらどうしようもない
深江「部屋には鍵をかけてますし、帰っていない場合は大家さんがその部屋の管理をしてくれるので」
空き巣対策と言うのもあるが、深江は毎月追加料金を渡しており、不在時の生き物の世話などを大家さんにお願いしている
薊野「成る程、それは安心だね」
そして薊野とポツリポツリと話をしているうちに普段の話し方に戻ってきていた。
すると
元町「今から殉職課の人達がくるから、面倒毎に巻き込まれたく無かったら死体を外へ置いて家の鍵をかけといた方がいいよ」
深江「あぁ、その方が賢明かも・・殉職課は特にタチが悪いからな」
薊野「どうしたの二人共?そんなに殉職課って言うのは嫌われ者なのかい?」
元町「そりゃあもう、死体があればその周りの人間に難癖つけて逮捕しようとしますからね」
元町は苦虫を噛み潰した様な顔で応える
一度だけ殉職課に逮捕された経歴がある為、あまり好んでおらず、それ以降は接点を持たない様にしているそうだ
深江「とりあえずビニール袋でも敷いとくか?」
流石に地面に野ざらしと言う訳にもいかない
霧無「あっ、ブルーシートの切り余りがあるんでそれを使って下さい‼︎」
エプロンを付けた霧無はそう言いながら薊野の肩を2度叩く
薊野「あ、了解〜、すぐに持ってくるからね〜」
薊野も奥の部屋に消えていった
すると灘が入れ違って玄関から入ってくる
元町「随分長い電話だったな〜」
灘「・・・・教務課から私達に特別科目が与えられたの」
深江と元町の視線は灘に向く
灘「今回の特別科目は調査と討伐」
一息置く
灘「帝の調査と氷雅の討伐よ」




