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Chaotic. NextGeneration.  作者: 鹿島夏紀
第一章 次世代型携帯ゲーム端末より、ご主人へ
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第2話

「お兄ちゃん! 学校楽しい?」

「なんだよ、会話に困った時の両親みたいな発言」

いつも通りの通学路。いつもと違うのは歩く夏奈。

ここの道路は、歩道と車道が白線だけで区切られていている。しかし、歩道は十分な広さがあり、大人が横に3人ほど歩いても余裕があるくらいだ。

「だってお兄ちゃんと一緒に通学なんて、ひさひさひさ久しぶりだもん」

「そうかい」

数歩前を歩き、踊るように振り向き、満面の笑みを向ける。

だが。

その笑みはすぐに元に戻り、無表情を超え、恐怖心を抱く表情になった。

『イベント発動。補正により移動速度-1、運-1』

「は?」

「お兄ちゃん‼︎ 危ない‼︎」

後ろを振り向くと、

プゥァァァァァァァァァァァァァ‼︎

雷鳴がなるが如く、けたたましいクラクションと同時に迫り来るトラックの姿があった。

「⁉︎」

横に飛び込めば恐らく助かるだろう。しかし、後ろにいる夏奈は恐怖で体が動かないようで、このまま自分だけ逃げれば夏奈は助からない。

「夏奈っ‼︎」

夏奈を抱え込み横に転がった。

間一髪。俺たちのすぐ横をトラックは走り過ぎて行った。

「お兄ちゃん... うぅ、うっ...」

「大丈夫だ。もう大丈夫だ」

夏奈は、胸の中で泣きながら嗚咽を繰り返していた。

きっと、あいつの仕業だ。

ポケットに突っ込んでいた、スマートフォンに似た次世代型携帯ゲーム端末を手に取る。

「ヒスイ。お前か...」

画面の中では、ヒスイが美を象徴とする彫刻のような笑みを浮かべていて、その表情はまったくいつもの危なかしい様子はなかった。

『ようこそ、ご主人。Chaotic. NextGeneration. 次世代へと受け継ぐ混沌の闇へ』

無線イヤホンから聞こえるヒスイの声は、ひどく冷ややかで、正気を感じない、殺人者のような声だった。

それでも美しい笑みを浮かべているヒスイに恐怖を覚えた。

『(楽しいゲームの時間です。...精神-4)』

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