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第六十七話 ハミッテの水遊び場へ

「おい! 嬢ちゃん! このスコップと筒をわしに預けてくれんか! なあ! 頼む!!」

「わ、わかりましたから。落ち着いてください! 僕達がこの街に居る間でよかったら」

「ありがてぇ!」


 まだ最後まで言ってないのに、ジバさんはスコップと筒をじっくりと鑑定し始める。

 が、また筒に弾かれてしまう。

 それでもめげずに何度も鑑定し続けていた。


「えっと、私達はどうしますか?」

「主様。あの筒を貸してよろしいのですか? とても大事なものなのでは」

「大丈夫だよ。もうひとつあるんだし」


 もしかしたら、何かが……わかるかな? 

 さっきから弾かれてっぱなしだけど。


「ジバさん。何かまたわかれば知らせてくださいね」

「おう! 心配するな、嬢ちゃん達! わしは、鑑定を頼まれたものは大事にするからな!」

「あっ、鑑定料は」

「後で決める!」


 聞いていた通りだ。この人は、鑑定ができればなんでもいいようだ。まあ、鑑定料はこっちでも考えよう。

 ジバさんはそれっきり、鑑定に集中する。


「ふう……凄いお爺さんだったね」


 店から出た僕は深く息を漏らす。


「あれは完全に病気の類だね、うん」

「あははは……それで、これからどうしますか?」

「もちろん観光の続きだよ。ここからだと、水遊び場が近いはずだ」


 一度橋に戻り、水路沿いに見ると、高い建物があった。

 

「あそこがハミッテで有名な水遊び場だよ」

「おー、まるで高級ホテルみたい!」

「高級ホテル?」


 また地球の言葉だろうか。高級ということは、貴族御用達の建物ってこと、かな?

 ともかく。

 観光の続きをせんと、僕達は水遊び場へと向かいながら、その途中で水飴果実というものを購入。どうやら液状になっている飴に果実を丸ごと浸したものらしい。


 きらめさんは、夏祭りでよく見たなー、と呟いたが、実際食べると何かが違ったらしく、感動していた。

 この辺りには、水に関する食べ物屋が多い。

 例えば、塩水をスープにした麺料理とか、肉の中に熱々のスープを閉じ込めたのは火傷するかと思ったが、今まで味わったことのない感覚だったので、十分楽しめた。


「到着!」

「普通に移動したなら、もうちょっと早く着いたはずですが」

「寄り道し過ぎちゃったねー、はぐはぐっ」


 ハミッテの食べ物を見て、食べていたら、結構到着まで時間がかかってしまった。まあでも、食後の運動と思えば。

 入り口付近を見ると、まだ朝早いと言うのに祭かと思うほどの人の混み具合だ。これは、入るだけでも困難だな。


「わわっ!? 結構早く来たつもりでしたが……凄い込み合いですね」

「いえ、これは想定内です! 主様。実は、ウゴロ様からこんなものを」


 レンが取り出したのは何かが書かれている紙が四枚。

 確認すると、水遊び場優先券と書かれていた。

 しかし、期限は今日まで。


「レン。これは?」

「出発する時にウゴロ様からお譲り頂いたものです。なんでも、知り合いから、お礼として何枚か貰ったようですが、ウゴロ様自身は、遊ぶよりもお酒を飲んでのんびりとしていたほうがいいと、ずっと放置していたものらしいです」


 なるほど。枚数も丁度四人分で、期限が今日までだから僕達にってことか。よく見ると、他の人達も同じようなものを持っている。

 けど、僕達のと比べて色が濃い。

 ずっと放置していたってことで、色褪せちゃったんだろう。


「そういうことなら、ありがたく使わせてもらおうか」

「だね。そういうわけで、さっそくあっちの受付へゴー!」


 受付は二つ。

 ひとつは、優先券を持たない人達用。もうひとつは優先券を持っている人達用だ。


「お願いします」


 列に並び自分達の番になったので券を受付のお姉さんに渡す。


「はい。確認致します。あれ? この券は……もしかしてウゴロさんが言っていた方々ですか?」


 ウゴロさん。僕達が行く前に伝えていたみたいだな。


「はい。この券は、ウゴロさんから譲って貰ったものです」

「やっぱり。仰せつかっております。色褪せた優先券を持った少女四人組が来たら丁重にと」


 あはは……僕がライカのままで来ることもわかっていたみたいだ。

 

「では、あちらに見える優先券者入り口へとお向かいください」


 びりっと、半分に券を切り、千切った半分だけ僕達に渡し、もう半分を籠の中へと入れるお姉さん。

 僕達は、言われた通り優先券者入り口へと足を進める。

 と、そこで僕は気づく。


「……水着どうしよう」


 水着自体はここで貸し出しされているらしい。なので、金さえ払えば水着を持ってこなくとも大丈夫。

 まあ、僕が言いたいのはそうじゃなく。

 このまま女物の水着を着るべきなのかということだ。もう中には入ったことだし、ラルクに戻ってもいいんじゃないか?


 そう思って僕達四人以外人がいないことを確認して、武器を股間へと当てようとしたが。


「はい、ストップ」


 きらめさんに止められてしまう。


「せっかくなんだし、ライカちゃんのままで水着を着ようよ」

「いやでも」

「実は、ライカちゃんにぴったりな水着を用意してあるんだよ、すでに」


 ……なんだか嫌な予感がするんですが。

 きらめさんがこう自慢げに何かを出す時は決まって。


「これだよ!!」

「な、なんですか、それは?」


 僕達がわからないものを出して、首を傾げさせるのだ。

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