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異世界デリバリー ~カツサンドからはじまる異世界無双~  作者: とんぽーろ


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9/17

「デリバリー販売はじまる」



数日後、早速、広い城下町の数カ所に小規模ながら“コーバン”の建設が始まった。何事かと、その建設現場に群がる地域の住民たちと野次馬。



『地域の治安を守る警備隊の常駐型出張所である』



と、簡単な説明の看板だけが掲げられていた。賛否両論の声が住民たちの間からもあがった。だが、王命とあれば誰も逆らえなかった。


さらにそのそばに“ポスト”も設置され、タックへの店の商品の注文書と王城への意見を自由(罵詈雑言や無意味な内容のものは除く)に投函して良いとその場に掲示され、


「このポストにいたずら、壊すものは発見しだい厳しく罰する。」


と太字で追記されていた。


これまでの歴代の王様にはなかった寛大な政策。感心する声も群衆の間であがった。


ポストは王族への意見箱とメリンダの店への商品の注文書をいれられる二口のものが設置された。メリンダの店に投函された注文書はメリンダの店の従業員が、王城への意見箱に集められた民達の意見書は城外の警備隊の隊員が交替の際に立ち寄り、王城に提出することになった。



メリンダの店に戻ったあと、タックに対し一言つけるアレックスとメリンダ。


「どうしてそんな事を俺達に相談してくれなかったんだ。」


「いや、サプライズとして二人を喜ばせようかと思って・・・」と深く反省して語るタック。


「確かにこのお店も人気が出て、繁盛しているけど“配達”(デリバリー販売)なんて・・・」と、やったこともない商売の形に期待しつつも少し不安なメリンダ。



「とにかく、ギルドに“臨時の配達員”の募集を出してみよう!」と提案するタック。


「(まっ)たく。。。」と開き直ったタックの顔をまじまじと見つめて語るアレックス。




冒険者ギルドと商人ギルドへそれぞれ、「臨時配達員」の募集をだした。


配達一件に対し、銅貨40枚の手数料と決して高くないアルバイト料だったが、城外の危険なモンスター討伐といった報酬が高いクエストを受けにくいE級やF級の❝低級❞冒険者達が武器と装備を買い揃えるため、また、商人として仕入れにかかる費用を賄えない初級のなりたて商人達の小銭稼ぎとして人気を博した。


後日、それぞれのギルドで志望者を集めメリンダ、アレックスとタックの前で面接が行われた。それぞれの身なりと人格を見て、


「商品を指定の日時に届けられるか」といったいくつかの点を3人は言及した。


コーバンとポストの建設と配達員の募集が終わり、いよいよ前代未聞のデリバリー販売がはじまることになった。


各所に設置されたメリンダの店宛のポストを開けるそれぞれの従業員。中央広場のポストはアレックスとタックそしてマークが日替わりで朝、投函された注文書を回収することにした。


あらかじめ地域に配られた配達料込のメニューが入った注文書。


配達料込ということで、店内に来てもらって食べるより少し割高に設定してあった。


「こんな値段で注文なんかくるのか?」と不安になるアレックスとメリンダ。


初日は、物珍しさもあり、合計で26件ほどのデリバリーの注文が入った。いずれも、メリンダの店から遠い場所の住民で、


「日中は仕事が忙しくて店に食べに行けない」、「妊娠中だから」。。。とか言った理由が添えられていた。


「結構注文が入るんだなぁ」と改めて感心するアレックス。


早速、注文された料理を作り、店で待機していた臨時配達員たちに託すメリンダたち。


「指定の時間と場所を間違えないでね。」と念を押すメリンダ。


注文書に指定された場所へそれぞれ料理を届ける配達員たち。


後日、注文書は更に50件あまりと増えていた。前回頼んだ、お客さんの感想も添えられていた。


「本当に、配達員の方が届けてくれて驚いた!」、「料理が意外にも温かくてビックリ!」など好意的な意見がほとんどだった。


デリバリー(配達)制度が好評を呼び、次第に右肩上がりに注文数が増えていった。


これには、驚きを隠せないアレックスとメリンダ。今まで限られた店内の販売とお客さん自身でもって帰ってもらうテイクアウトだけだった店の売上が信じられないくらい増えた。


次第に、店内やデリバリー注文のお客さんたちからも「もっと色々な料理があったらいいのに」と、次第に要望がでてきた。


 「何か新商品を開発しなくては!」と同時に声をあげるメリンダ、アレックスとタック。


また、この城下町初のデリバリー販売の成功を受け、中央通りに店を構える他のライバル店も同様にポストを設置したいと王城に申し出るようになった。


「このままでは街中にポストが溢れるわね・・・既存のポストの共有して私たちが利益を得られる方法はないの?」と語るメリンダ。


(王様に再度謁見し提案せねば・・)と考えこむタック。


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