「アレックス in ニッポン」
「アレックス、1階の食堂を暖める魔法機を実家から運ぶのをちょっと手伝ってくれよ!」とヘルプを願うタック。
それまでアレックスとメリンダは我が家の厨房の奥の勝手口の更に奥にある物置小屋から急に現れたり、急に消えてしまうタックに対し何度もそのあとをこっそりとつけてどうなっているのか様子を伺いに行こうとしたが、その時は物置小屋をどうやらタックが中から施錠して開かないようにしているようで中の様子が全くわからなかった。また、たまにタックが物置小屋の扉の鍵を閉め忘れたのか開いているときに、こっそりと覗き込んだが、以前より整然ときれいに片づけられているだけで、特に何もみつけることができなかった。
タックのおかげでこの中央通りから外れたメリンダの店は王城内でも指折りの繁盛店に返り咲くことができたので、必要以上にタックの実家のことを問い詰めることをしないようにしてきたアレックスとメリンダ。
今回、初めてタックの公認の元、タックの実家を訪れるアレックス。2人でメリンダの店の奥の物置小屋の前に立った。
扉を開けるタック。
『システム解放、冒険者アレックスに扉の通行の許可を!!』と日本語で叫んだが、アレックスにはタックの話すその言葉が初耳で全く理解できなかった。
突然、物置小屋奥の壁が光りだし、大人二人分が通れる"光の扉"が現れた。
驚き腰を抜かすアレックスに対し、
「さぁ、行こう!」と手招きするタック。
恐る恐る、タックに誘われるがまま"光の扉"を通行しようとするアレックス。本来は壁しかないはずのその場所を通り抜けようとするわが身を心配した。
扉の通行はあっさりと終わった。
光輝く空間をさっとぬけたかと思うと、暗くて狭いアレックスがみたことがない装置が静かに音を立てている部屋の中だった。
そこを出てからアレックスの手を引くように我が家である定食屋に招待するタック。
初めて見るメリンダの店よりやや小さめのタックの定食屋。裏口から同様に厨房に入ると、アレックスがみたことがないものばかりが目の前に広がっていた。
「なんだ、この金属の箱は、この金属の管は、・・・」見るもの、触るものがすべて初めてだった。
「この箱は"冷蔵庫"といって、俺専用の魔法の氷室だ。そしてこれは水道管といって上の部分を捻れば簡単に冷たい水やお湯が出る。」と説明するタック。
「井戸も使わずにこんなに簡単に水が出るのか!!それもその金属の部分を捻っただけで!」と感嘆するアレックス。
大きな氷室として紹介された冷蔵庫を開け、中身をじっと見るアレックス。
ずらっと並べられた2Lのペットボトルに入った黒い液体が真っ先に目に入った。
「これって、以前俺たちが王様に献上した”コルラ”か!?」とよく冷えたコーラのボトルを触りながら語るアレックス。そのほかにもアレックスが見たことがない食品や飲料がならんでいた。
「この金色の飲み物らしきものはなんだ!?」と再度尋ねるアレックス。
「これは”ビール”といって、こちらの世界のエールだ。」と答えるタック。
「なに!冷えたエールか!エールを冷やすなんて聞いたこともないぞ。」と驚くアレックス。
そのまま、普段客が座る食堂へ進んでいくアレックス。壁に大きなビールが入った瑠璃(るり、ガラス)のコップを片手に掲げ、喜んだ表情の若い女性の絵を眺めて一言、
「お前の世界の若い女って変わった格好をしているのだなぁ・・」と初めて見る現代日本の若い女性のファッションにまたもや驚きを隠せないアレックス。
「あの黒い縁の板はなんだ?」と、上の高い位置に設置された薄型液晶テレビを指さすアレックス。
「あれは、”テレビ”といって動く絵を映し出す魔法機だ。」と分かりやすい例えで説明するタック。そばにあったリモコンを手にとり、早速テレビに向けて電源を入れてみる。
ブチンという音と共にそれまで暗く何も映っていなかった画面に突如人が現れて話し出した。
「おい、タック!あの絵の中に人が囚われて何か叫んでいるぞ!!今すぐ助けてあげなければ」と剣の鞘に手を当てようとするアレックスに対し、
「あわてるな!あれは先ほどいったようにただの“動く絵”だ!大丈夫だ。」となだめるタック。
てっきり絵の具で書いたようなものが動く、紙芝居の発展したようなものだと想像していたアレックスにとって、リアルに映るテレビの中の人物が本当に枠の中に囚われているように見えてしかたなかった。
腰が抜けて今にも座っている椅子からのけぞりひっくり返りそうなアレックスを尻目にチャンネルを変えてみせるタック。
「おい!さっきのあのものたちはどこへいった!?」と画面が変わり映っている人物が変わったことに驚くアレックス。それまでゲラゲラと笑い転げていたテレビの中の若手芸人の映像から、デスクの前でネクタイを締めて真面目に語るニュースにチャンネルを替えたタック。
「おい、あの男、首から何か紐らしきものを垂らしているぞ、これから首でも吊るつもりなのか、今すぐ思いとどまらせにいかねば!」ときれいに絞められた男性ニュースキャスターのネクタイの説明がだんだん面倒に思えてくるタックだった。
テレビを消し、2階の自宅の寝室に案内しようとするタック。階段を上り、ふすまを開けて中に案内する前に、
「すまんが、ここで靴をぬいでくれないか。」とアレックスに頼むタック。
「靴を脱ぐ?なぜ?そこにもうベッドがあるのか?」と疑問の表情を浮かべるアレックス。
本来なら2階に上がる階段の1段目で靴を脱いでほしかったタックだったが、冒険者として靴はとても大切な品だと分かっていたので特別に2階の寝室の前まで土足で上がることを許していた。
よくわからぬが他でもないタックの申しつけに従い靴をその場で脱ぐアレックス。
「別に盗ったりしないから。部屋が汚れては困るんでね。」と軽く説明を加えるタック。
ふすまを開けて中に入ると8畳ほどの広めの部屋がそこに広がっていた。
きれいな“い草”で作られた畳がしかれていた。
「この藁のような板の上で今晩ねるのか!?」と目を丸くするアレックスに対し、
「違うよ、この上にまた別の寝具を敷いて寝るんだ。」と説明するタック。
来客用に常日頃、押し入れにしまっていた布団を取り出し敷いた。
まだ寝るには早い時間で、見るもの聞くものすべてがアレックスたちが住む異世界にない全く異なるタックの世界に興奮して寝られそうもないアレックス。
「これはなんだ?」と机の上に置かれたノートパソコンを指さすアレックス。
「これはこの世界の隅々のあらゆる情報を得ることができる魔法器だ。」と簡単に説明するタック。
試しに電源を入れてパソコンを立ち上げてみる。まもなくパソコンが立ち上がり、いろいろなアイコンが現れた。見慣れたブラウザの検索窓に適当に打ち込むタック。当然、こちらの世界の文字が全く理解できないアレックスは黙って画面を見つめ続けるだけだった。
ニューヨーク、ロンドン、上海、南の島のリゾート・・・飛行機など様々な画像や動画をアレックスに見せてやった。また画面の中の人たちと映像を伴って会話できることも説明した。
「おい!これってもしかして・・・王宮のあの魔法球よりずっとすごいやつなんじゃ・・ないか!?」とこれまた驚きを隠せないアレックス。
「おい!あの鉄の箱、人を乗せて馬や牛がいないのに勝手に走り出しているぞ、大きな鉄の大蛇の中に多くの人が吸い込まれていくぞ、お前の世界にも大空をはばたく鉄の鳥がいるじゃないか!・・・」と、驚きの連続のアレックスに次第に疲れてくるタック。
「なんか腹減ってきたな・・」と同時にぼやくアレックスとタック。
定食屋だが長期休業中のため、あまり食材がそろっておらず、またタック自身も疲れていたので料理するのがとても面倒だった。
「デリバリーでも頼むか!」と切り出すタック。
「こっちにも注文用のポストがあり、今からそこへ向かうのか?」と尋ねるアレックス。
さっと、手元の鞄からスマホを取り出し、フードデリバリーのアプリを立ち上げて見せるタック。
「なんだこれ?」と小さな黒い金属製の法器の画面を覗き込むアレックス。
”牛丼”、”ハンバーガー”、”ピザ”・・・といったいくつもの品が画像と共に表示されていた。
「ハンバーガーとピザでも注文するか!」と独り言のようにつぶやくタック。
「別に外に出なくていいよ。もうすぐ来るから!」と畳の上に寝ころびながら説明するタック。
30分ぐらいしてお届けする予定のこと。その間、身の回りのいろいろなものに興味を示すアレックス。
「この光り輝く円盤はなんだ?」とその都度説明を求めてくるアレックス。
「それは今までのいろいろな情報を記録できる法器で、このパソコンで後で❝動く絵❞や音声で何度でも見返すことができる。」と積み重ねられたDVDの山を指さして教えた。
「どうやってみるのか。」としつこく聞くアレックスに、次第に面倒になってきて、パソコン横のディスクのトレイのボタンを開き、ディスク用のトレイを引き出し、そこにピカピカ光る面を下に向けこのボタンを押して再生。といった具合に半ば面倒くさそうに説明するタック。空腹もかさなってからか若干苛立ってきた。
横になり半分眠たくなりながらデリバリーを待つタック。DVDに興味を持ち内容が全く分からないにもかかわらず、再生ボタンを繰り返し押して遊ぶアレックス。
「おい、タック、起きろ!これすごいぞ!裸の女が沢山出てきた!」
(やべ!ずいぶん前に買ったHなDVD、処分するのをすっかり忘れていた!)と焦るタック。
「そんなもの見るんじゃない!」と恥ずかしながら力づくで停止ボタンを押そうとするタックに対し、冒険者としてタックより腕力が圧倒的に強いアレックスが抵抗した。次々と流れてくる”イヤらしい”映像と音声に興奮が増して抑えられなくなるアレックス。
「タック!おまえもやはり”男”だったんだなぁ・・・隅におけないな、もっと早くこういうものを教えてくれたらよかったのに。」と、最後までみようとするアレックス。
その時、玄関のチャイムが鳴り、デリバリーが届いたことを知らせた。
さっとDVDの停止ボタンを押し、二人で階段を駆け下りデリバリーを受け取った。
「金は払わなくていいのかよ?」と聞いてくるアレックスに、
「もう、すでに払っている。」と率直に答えるタック。
一階の食堂の客用のテーブルで食べようとするタックに対し、先ほどのDVDの続きが気になって仕方ないアレックス。しかし、空腹とここがタックの世界であることに配慮し、冒険者としておとなしく2人で晩飯であるデリバリーを食べることにした。
タックがいつ代金を払ったのか少し気になったが何もかもが自分が住んでいる世界と違うこの世界、それ以上考えることを止めた。
プラスチックの容器に入った、まだあつあつの牛丼の蓋を開け湯気がたちのぼる美味しそうな見た目に興奮した。
「タックよ!これらはまだ王様たちに一度も見せたことがない品だな。今後、王様に献上する予定はあるのか?」と真顔に戻って尋ねるアレックス。
「このカップの”牛丼”は今後、王様に献上してみようかと考えているんだけど、この”ピザ”はね・・・」と語り、「特別な設備と技能をもった職人が必要で俺の今の狭い店では到底できないんだよ。」と締めくくるタックだった。
薄くて大きなピザの箱も開けた。小麦粉で作られたクリスピーな生地の上にチーズやペパロニやチョリソー、トマトといった具材のほかにタックもよく知らない野菜がいくつか載っていた。
「これどうやって食べるんだよ?」と聞くアレックスに、
「見てろよ。」と傍においてあったタバスコを数回ふりかけて手でちぎってそのまま食べるタック。あらかじめ店の方で切り込みを入れておいてくれたおかげでとてもきれいに切り分けやすかった。
タックの真似をしてタバスコを適当にかけ、ピザをちぎり初めて口の中に頬張るアレックス。
濃厚なのびるチーズの味と少し酸っぱいトマトソースに辛めのチョリソーやタバスコの味が交わる何とも言えない美味に感動し、
「王様より先にこれを食べられて俺ってどれだけ幸せものなんだよ!」と感激するアレックス。
「あぁ、食ったな。さて風呂でも入ってテレビでも見てから寝るか!」と提案するタック。
「水浴びか!?メリンダやエステラたちが最近はまっていたな。。」とぼやくアレックスの手を引き風呂場へ案内するタック。
「たまにはゆっくりと湯につかれよ!」と軽い命令口調のタック。
てっきり、外に連れ出され井戸のそばかなにかで軽く水浴びをするのかと思っていたアレックスはそれほど大きくないが、たっぷりと湯が張られた浴槽を目の当たりにしてこれまた驚かされた。普段は簡単に水浴びをして市場で買った石鹸で軽く体の汚れを落とす程度で、湯気がたつ、たっぷりのお湯がはいったお風呂などみるのは初めてだった。
「これ、どうやって入るんだ?」とこちらの日本の入浴マナーを当然知らないアレックス。
「その床に置いてある洗面器でまず、体の汚れを洗い流してから湯に浸かるんだ。」と説明するタック。
シャンプーで頭をしっかり洗い、ボディーソープをつけたタオルでごしごしと体の汚れを落としてから浴槽につかるのが本来のマナーだろうが、お互い疲れていたので真っ先に湯舟に浸かってもいいと教えた。
いわれるがままに湯舟に浸かるアレックス。あふれ出るお湯に驚く。
「こりゃ、もったいないなぁ」とぼやきながらも、初めて浸かる温かい湯に身も心もほぐされていく様子のアレックス。メリンダと一緒に建てた小さな料理屋の裏口傍の小さな囲いでしきった”水浴び場”でいつも冷たい水をかぶって毎日の汚れを落としていたアレックスには天国に上るように思えるほど快適なひと時だった。
「そこにある青いボトルで髪を洗い、白いボトルから出した液をそこに置いてある布にこすりつけ体を洗うんだ。」といわれるままに全身を洗うアレックス。
「最後にそこに”おじさんの絵が描かれた金属製の筒”を上から押してみて」と続けていうタックに、
「こうか?」と押し続けるアレックス。白い泡がみるみる出てくる。
「それを髭のあたりにこすりつけて、目の前の台においてあるT字型の刃物で髭をそのままそるんだ。」とあらかじめ用意していた使い捨てのT字剃刀をアレックスに渡した。
いつもは市場で売られている石鹸をこすりつけ、小型のナイフを用いて時間をかけて慎重に髭をそってきた。これまたタックにいわれるがまま白い泡が覆った自らの髭の上を、渡されたT字剃刀でそりあげていくアレックス。
「なんだこりゃ!簡単にきれいに楽に髭がそれるぞ!」と感動するアレックス。温かいお湯を洗面器にはり、自らの顔にかけて泡と汚れを洗い流した。
「目の前をこすってみろよ!」とタックの言葉に未だシャンプーや石鹸が目に少し入って開けづらい状態で手探りで壁をこすってみた。
それまで、湯気であまり確認していなかったがそこには”鏡”があった。それはよく知る銅製の金色がかった”あまりよく見えない”ものではなく、はっきりとその場の被写体を映す水面のように綺麗な鏡で、そこに映る自分自身に驚かされた。
「俺ってこういう顔だったのか。」と改めて自分の顔をまじまじと見つめるアレックス。
長風呂でのぼせがちになっていたアレックスを風呂場から救い出したタック。風呂場からあがったアレックスに、若干小さいがきれいな寝間着を用意して渡す。それからアレックスのあとに簡単に風呂をさっと浴びて上がってきた。
テーブルに腰かけ、冷蔵庫からよく冷えたビールと若干茶色がかった白い液体を持ってきた。
ビールが”よく冷えたエール”であることは最初の説明でよくわかった。やはりもう一方の少し茶色がかかった液体が気になる。
「それをまずくれ。」と要求するアレックスに瓶にはいったその液体を持ってきた。
「上の紙の蓋を剥いで一気にのむんだ。」と教えるタック。
さらにその際は立ってから腰に片方の手を添えて仁王立ちのような状態で上向きで飲むのが最高だと教えた。
いわれるがままに飲み干すアレックス。
「うま〜い。これまたあの、”ミルクセーキ”とちがい少し苦味があるけどこれまた最高だな。」
その夜はビールよりもよく冷えた”コーヒー牛乳”で盛り上がる2人だった。
「さてと、そろそろ夜も更けてきたし2階にあがって寝るとするか!」というタック。
畳の上にきれいに並べられてしかれた布団に入り寝る準備をする二人。
テーブルの上においてあるノートパソコン内部の中断したままのDVDの続きが気になって仕方ないアレックス。
「あと、もう少しだけ続きを一緒にみないか」と寝言のように囁くアレックスに対し、
「だめだ。明日は早いんだ。」の一点張りのタック。
そうこうしているうちにいつの間にか寝落ちしてしまった二人だった。
朝はどの世界にも平等にやってくるものだった。暗い夜が去り、明るい日差しが差し始めた朝に先に起きたのはタックの方だった。アレックスは昨夜の興奮と緊張の糸がほどけてふとんをはだけて大きないびきを未だかいて寝ていた。
少しばかりまだ寝させてやろうというタックの思いやりとは裏腹にいつ起きるのかわからない様子のアレックス。しばらくしてそろそろ起こさねばと「朝だ!起きろ!アレックス!」と耳元でささやくも起きる気配が全くないアレックス。
そこで一計を思いついたタック。
「おい!外で裸の美女軍団が大行進しているぞ!」と耳元でささやいた。
「なに!!」と飛び起き、窓の外をすぐに見下ろすアレックス。そこには登校途中の自転車にのった女子中高生たちや通勤途中のサラリーマンたちの姿しかなかった。
「タックよぉ~」と眠たい眼をこすりながら文句を言うアレックスに対し、
下に行って昨日入った風呂場のそばにある洗面所で顔でもあらってこいと促すタック。
「はい、これ!」と歯ブラシと練り歯磨きを渡すタック。
「なんだこれ。歯を磨く道具か!?」と眠気眼をこすりながら聞いてみるアレックス。
歯ブラシの方はなんとなく、歯を磨く道具だと分かったが、チューブに入った練り歯磨きが一体何なのかわからなかったアレックス。タックに教えてもらい、これが歯をよりきれいにしてくれる薬だと知った。口の中がすぅーと爽快になり、洗った後気持ちよかった。
異世界の本来の剣を携えた冒険者の格好に着替えてさっさと本来の作業を説明した。
メリンダの食堂を暖めてくれる魔法機”石油ストーブ”と、メリンダの店専用の通信機器であるトランシーバー11台の搬出、そしてこちらで仕入れた食材をメリンダの店に運び込む食材の運搬の手伝いなどを告げられた。
店の食堂の中で本来の異世界の冒険者の姿で真剣にタックの話に耳を傾ける姿を通りを通学中の数名の女子中高生たちに外から目撃され、指をさされてスマホで撮影されているのを感じた。
「なんだおめぇら」とタックの店のドアを開けて外に躍り出ようとしたが、その瞬間入り口のドアが光り、どうしてもアレックスはドアを開け外にでることができなかった。
どうやら”結界”のようなものが張られているようで、現時点ではアレックス達、異世界からの来訪者はこの現代日本のタックの店の敷地から外へはまだ出られないようだった。




