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ダンジョン探索者~星駆けと聖騎士~  作者: Wana-wana
第三章 わくわく食材ゾーン
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わくわく食材ゾーン エピローグ

 安定の我が宿である。最近、宿をかえた。前よりもデカ目の部屋になった。

 当然のごとく値段は上がった。エミリアもついてきたから、半額でいいので、ぎりぎり前よりも安く済んでいる。


「本当にお前らはなんなのさ」

「おまえこそ何しに来たんだよ、前衛」

「す、すみません。お、お二人の愛の巣を、か、観察したら、な、なにか出てきて面白いんじゃないかって、オレから言い出したんです」

「観察って……」


 だいぶ失礼なこと言ってんな、ヒーラー。ヒーラーの発言を受けて脱力したかのように、エミリアがだらんと俺に向かって倒れ込んでくる。ぎりぎりで身体の位置をずらし、俺は俺の肩を守ることに成功した。


「なんで避けるの」

「お前、よく俺の肩によだれたらしてるだろうが」

「知らない」


 腹筋を使って、ベッドから跳ね起きたエミリアは、今度は俺の背中に回り込んで、だらんと全身の重みを預けてきやがった。

 俺はため息を吐いた。


「ねえ、ハニー。ここ、いたらだめじゃない?」

「奇遇ですな、ダーリン。吐き気が、してきます」

「勝手に来といてその言い草はおかしいだろうが!」


 あと、お前らも大概だぞ。呼び方とか。


「それで、おたくのギルドは今も、あんな感じ?」


 黎明の鴉は、なかなかにえらいことになっていた。それを知っているからこそのエミリアの問い。

 だが。


「通常営業だよ」

「俺らと、土木の連中はな」

「何時間待ち?」

「さあ……?」


 朝に並んで食堂に入れたのは、夕方だった、とかいう愚痴は魔法使いから聞いた。

 あいつ、普通に飯を食いに来てるからな。

 ギルマスも、関係者枠で順番に並ばなくてもいいようにしてやる、と言ったらしいが、べ、別に関係者じゃないじゃない!とか魔法使いが、ごねたらしい。勝手にやっててほしい。


「そんな人気なんだ……、あれが」

「本体を俺らしか見てないからなあ」


 黎明の鴉食堂は、絶賛海産物セール中で大繁盛していた。素材が大量に手に入ったからだ。

 

 俺の背中に乗っかるのに飽きたのか、エミリアは俺の隣に座る位置をかえた。手をつかまえてみたら、エミリアが手をからめてきて、俺の手の甲を指先でこすりはじめる。

 害はないので、好きにさせておく。


「あいつら、ドブ産なのに」

「ぬめぬめもしてたのにな」

「食材はだいたいキモいから仕方ないんじゃない?」

「だいたいキモいってことは、ないと、思います……」


 果たして、客の何名が海産物の正体に気づくのだろうか。気づかないほうが幸せな気もするが。


「それにしても、変なダンジョンだよね」

「そうだな」


 そこは間違いない。

 ただ、経験則的にぼちぼち支配種の存在に近づいているはずではある。

 周りをみれば、前衛とヒーラーも神妙な顔をしていた。エミリアはわからん。何が楽しいのか、指先に指を巻き付けてきている。


「何が支配種だと思う?」

「「「人間」」」


 前衛の問には、全員が即答した。

 そうなると。


「そろそろ、アンデッドゾーンとかが、来るか……?」

「やだなあ……………」


 恐らく、そろそろ大活躍するであろうヒーラーは苦笑いを浮かべた。


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