↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン探索者~星駆けと聖騎士~  作者: Wana-wana
第三章 わくわく食材ゾーン
68/68

幕間 鴉は白色

 俺が所属するギルドは、『黎明の鴉』という名前だ。 

 今更、それがなんだという話なのだが、このギルドの創設メンバーは、俺を含めてこことは違う大陸出身である。で、何が起きたかというと。


「鴉って、白色の鳥だよね」

「え?」


 俺たちのアイデンティティが脅かされた。


「え」

「え……?」


 エミリアが首を右に傾ける。向き合う俺は左に傾いた。エミリアが首を左に傾ける。俺は動かなかった。


「なにやってるのよ、あんたら」


 突然、隣に出現する魔法使い。

 うちの食堂で飯を食ってるところだったから、こいつが出現するのもさほど驚きではない。よそのギルドで普通に飯を食っててもいいのか、という疑問は今さらだった。そんくらい人気だからな、うちの食堂部門。


「いいところに来た。鴉って、何色?」

「白色に決まってるじゃない」

「え」


 衝撃の事実が確定してしまった。どうやら、この大陸の鴉は白色らしい。

 エミリア一人なら、無意味に嘘をついてる可能性もないではなかったが、魔法使いが無意味に嘘をつく意味がない。


「鴉って白い、のか」

「それは、そういう『人の認識は曖昧』とかいう問いかけかしら?」

「普通に、鴉が何色の鳥かって話」

「そりゃ、白に決まってるよカイニス」


 まじで、当たり前のことだったらしい。

 俺は、鴉の色説明する。魔法使いとエミリアは、それで納得したらしい。


「逆に聞くけど、今まで路地とかでゴミ漁りしてる鴉は何だと思ってたの?」

「なんらかの鳥だなって」

「常識すぎで、疑問にすら思えなかったのね……」


 鴉は黒いのが、俺にとっては当たり前だった。 

 ただ、ここで一つ気になることが。


「うちのギルドの紋章、めっちゃ黒色の鴉をモチーフにしてるんだが」

「「なんでもかんでも黒に染めたい時期に決めたのかって思ってた」」

「ええ……」


 いや、確かにうちのギルドの名前とかもろもろ決めた時は、確かに俺たちは若かった。若かったが、そんななんでも黒色にしたいとか、そんな願望はなかった。


「何の話だ」


 通りがかりのリーダーが話に混ざりに来た。魔法使いの姿が見えたから仕事を切り上げたんだろう。あと、普通に日替わり定食のお盆を持っているから、飯も食おうという魂胆だったのだろう。

 当然のごとく、魔法使いのすぐ隣に腰掛けやがる。


「鴉って何色だ?」

「そりゃ、黒色だが」

「「なんでも黒色に染めたい歳頃なんですね、だいぶいい歳して」」

「は?」


 なんでこいつらは、こんなときまで息ぴったりなのか。リーダーは、とりあえずなんかからかわれている、ということだけは理解できたらしく、すぐ隣の魔法使いの鼻をつまみはじめる。


「いい歳って、お前の方が歳上だろうに」


 え?


「うっさい!あとそこ、いくつだこいつって顔すんな。というか、エミリアまでなんでその顔するのよ」

「え、だって君って、歳下には興味ないって」


 なんか、鴉が白色とかどうでもよくなってきたかもしれない。


 結局、うちのギルドは、黒色が好きな集団ということで、女どものなかで決着がついた。

 なんでだよ。

 


 


 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。