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telracStream  作者: 筬群万旗
水の天蓋
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漂着

「あんた、どこら流されてきたん?海、珍しいん?」

 強い訛りで、覗き込んでくる。眩しさに慣れてくるうちに、記憶も次第にはっきりしてきた。あのときから、進歩がないとは、情けない。

「火の、(プラー)良樹(ジパティ)から。私は……お前が拾ってくれたのか?」

 振り向きもせず、呟いた。



「わしや、わし」女の子の代わりに答えたのは、日に焼けた、大柄な男だった。風音よりは2、3年上の、この子の兄だろうか。

「世話になったな」と独り言を言い、何かを探しているかのように、再び目を海に泳がせる。


 しばらくしてから、風音ははっとして振り向いて、「亜邦を見なかったか。私の(ナーガ)だ。」と尋ねたが、突然の質問に、二人はあいまいな表情で首を振っただけだった。

 一瞬の間をおいて、兄の方が手招きした。「ついてこい」砂浜を歩きだす。向かう先に、ちらほらとみすぼらしい小屋が散らばっているのが見えた。焼けるような砂の上に、三列の足跡がのびていく。

 何でも、事の次第を長老に報告しなくてはいけないらしい。ずっと、そうして守ってきた、小さい村なのだと、妹は言い訳するかのように付け加えた。誰かが亜邦を見つけていたなら、そちらに伝わっている可能性も高い。風音とて異論はなかった。もとより、不溜人に信頼してほしいとも思わない。



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