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高い秋の空の下で、神聖なる月道墓前で赤川は高々と宣言をした。
時間が経つにつれて、この事態がまるで毒のように全国津々浦々へ侵食していくだろう。
静まり返った月道墓前に、冷たい風が流れる。
誰一人動かない。いや、動けないでいる。
突如として現れた紅い軍服姿の襲撃に建国宣言。すべてが異常で、飲み込めない状態。
誰もが思考停止していたのだった。
突然、この一瞬の静けさを切り裂く事態が起きる。
この場にいる全員のスマホが、一斉に鳴り響く。
「え、何これ。北陸自動車道と国道8号が爆破……」
「上信越自動車道、長野自動車道も爆破って……」
スマホの通知音が矢継ぎ早に鳴り止まない。
次々と計画が実行されている。
「何なんだよ。次は中央自動車道、国道19号、国道153号も爆破されたって……」
「次から次へと速報が流れる。東名高速道路、新東名高速道路、国道1号も爆破された。一体どうなっているんだ」
再び混乱が巻き起こる。
赤川は、この状況に便乗して撤退をはじめる。
「よし。鈴木」
警護隊に銃を突き付けていた一人が、赤川に振り向き駆け寄る。
「はっ」
赤川に敬礼し、返事をする。
「先に車に行き準備せよ。そして鴨井に帝をお連れする事を伝えよ」
「はっ」
素早く手を下ろし、すぐさま元来た道へと走り出す。
「帝。しばしの間、私たちとともにご同行願います」
帝は何も言わない。
ただ今の状況に嘆いているかのように、暗い顔となっていた。
「諸君、撤退だ。後方を警戒せよ」
赤川は撤退を告げ、帝を森の奥に用意している車へ案内する。
森に入り奥へ進むと、エンジン音が聞こえる。
「さぁ、どうぞ。お乗りください」
赤川は後部ドアを静かに開け、帝はゆっくりと乗り込む。
赤川も帝の隣に乗り込み、後から来た仲間たちも次々と乗り込む。
「鈴木、出せ」
「はっ」
車はゆっくりと前進し、月道墓前から抜け出した。




