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 車は東山区の賑わいを離れ、泉水寺(せんすいじ)の門前を通過する。

 「閣下。まもなく目的地である月道墓前(つきみちぼぜん)です。情報通り門前で待機している警察、警護隊は少ないようです」

「たしかに、そのようだな。このまま月道墓前の裏の森に進め」

「わかりました」

 公道から外れ、山道へと走らせる。

 車内の緊張感は高まり、誰一人と声を漏らさない。

「よし。ここで止めろ。車は茂みに隠しておけ」

 紅い軍服に黒いマントを身に纏った赤川が車から降り、同時に紅い軍服の仲間たちも降りる。

 腕時計を確認すると、時刻は13時08分。

 帝の墓前参拝まで、すでに一時間を切っていた。

「全員、気を緩めるな。行くぞ」

 赤川が率いる部隊は、山道を歩き続け少し開けた場所に着く。

 目の前には先代帝が眠る墓前。神聖なる月道墓前である。

 男たちは深く茂みに隠れ、「時」を待ち続けた。

 

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