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時刻は12時32分。
紅い魂を持った勇敢な男たちのその手には、覚悟と希望が握られていた。鴨井が率いる部隊は、赤川に覚悟を決めた敬礼をする。
赤川も、これから戦場へ駆け出す勇敢な男たちに敬意を込めてゆっくりと敬礼した。
「閣下、行って参ります」
鴨井が赤川に決意を伝えた。
「あぁ、幸運を祈る」
「閣下も、どうかお気をつけて」
鴨井部隊は素早く手を下ろし車へ向かう。
一人、また一人と乗り込み、鴨井部隊は京都御所へ向かった。
鴨井たちが乗った車を見送ると、赤川が率いる部隊も車に乗り込み、先代帝墓前へと向かう。
仲間が運転する車の中で、赤川は窓を少し開けて煙草を口に咥える。
「赤川閣下、どうぞ」
隣に座っていた仲間が、その煙草にライターの火を差し向ける。
「あぁ、ありがとう」
煙草を吸い、ゆっくりと吐き出す。
「君は、怖くないのか?」
「……正直に申します。本当は怖いです」
「では、なぜ日本解放戦線に加入したのだ?」
男は、ゆっくりと口を開く。
「自分、今の日本は政府が腐り切っていて、この先アメリカの傀儡政権になるのではと懸念しています。そうなると日本は魂とともに忘れ去られてしまう。そんな未来が嫌で加入しました」
赤川は、少し驚いた表情を見せたが、それは一瞬。
火のついた煙草を再び吸い、ゆっくりと吐き出す。
「……これは驚いた。まだ若いのに立派な覚悟だ。まさにその通りだ。このままだと傀儡政権になるのが関の山だろう。今の日本政府は、己の懐に金さえ入ればそれでいいと思っている。国民には綺麗事を言って形だけを作ってる。だから私たちが本来の日本を取り戻すため行動している」
赤川は煙草を灰皿に揉み消す。
広がる煙草の煙で車内の空気は、まるで今の日本のような淀みを思わせる。
この、わずかに開けた窓のように、新たな空気を入れ循環させるのが、日本解放戦線の使命である。




