第一章:2019年11月27日 京都市東山区
雲ひとつない快晴であった。
これから、この腐り切った日本を変えるのに相応しい、めでたい日である。
時刻は午後12時過ぎ。
赤川は、これから共に現場へ向かう仲間を応接室に集めるよう、鴨井に命じた。
しばらくすると、紅い日本軍服に身を包んだ仲間たちが、一人、また一人と静かに入室する。
列の奥から紅い軍帽と軍服を纏った鴨井が歩み寄り、赤川の前で足を止めて鋭く敬礼した。
「全員、集まりました」
報告を終えた鴨井が一歩下がる。
紅い軍服の上に黒いマントを羽織り、右腰に拳銃と軍刀を注した赤川は、一度静けさを確かめるように仲間たちを見渡した。そして、静かに語る。
「いいか。失敗は許されない。我々は忘れ去られた大和魂に再び火を灯し、この腐り切った日本を立て直す」
その言葉に応じるかのように、集まった男たちの瞳には凄まじい決意が宿り、視線が一点、赤川に注がれた。
「これからの動きを説明する」
紅一色に染まったこの応接室は、これまで以上に空気が重くなる。
「私が率いる部隊は、これから東山区にお入りになられる先代帝墓前で参拝する帝を襲撃し、身柄を捕らえる。そして鴨井が率いる部隊は、京都御所に行き革命声明を合図に制圧せよ。その後、帝と共に京都御所にて合流する」
鴨井はその場で鋭い敬礼をし、男たちは沈黙を守っている。
赤川は宣言する。
「これよりフォッサマグナを決行する」




