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窓の外へ視線を転じると、陽はすでに大きく傾いていた。
秋の深まりを感じさせる冷気が、いつの間にか室内を満たしつつある。
幹部たちを退出させた後、赤川は右腕である鴨井とともに会議室を後にした。
一歩廊下へ出ると、またもや檜の香りが微かに鼻孔を掠める。
灯りの点された廊下は、昼間の賑わいとは一転し、どこか孤独にも感じる。
突然、低く重厚な鐘の音が廊下に響き渡る。
反射的に音の鳴る方向に顔を向けると、そこには装飾された時代を感じる立派な古時計が、振り子をゆっくりと揺らしながら、時間を告げていた。
長短の針が重なり、17時ちょうどを示していた。
時の流れの早さを感じながら、赤川と鴨井は廊下の奥へと歩いて行く。
突き当りには「資料室」と書かれたプレートが揚げられた重厚な両開きの扉。
そして、扉の両脇には胸元にアサルトライフルを抱えた兵士二人が厳重な警備に就いていた。
二人は、奥から歩いてくる赤川と鴨井に気づき、左手に銃を預けて右手で敬礼する。
赤川と鴨井は、二人の前に立ち止まり敬礼する。
「ご苦労」
赤川は警備してる二人に声をかけてから扉を開けた。
扉を開けると、そこにあったのは部屋ではなく地下へ続く階段であった。
ゆっくりと階段を降り、大正浪漫を感じさせる本部とは違い、剝き出しのコンクリートで造られた空間であった。
天井に付けられた照明には暖かみはなく、冷たい空間を照らす蛍光灯。
仄暗い廊下を歩き続けると、目の前にはこの空間に合わない木製の片手扉がある。
鴨井がドアノブに手をかざして扉を開けた。




