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三日月 教えませんわ

 三日月が東の空から昇り、月の塔を照らしはじめる。  

 ノックスはルナと月の出ご飯を食べながら、ぼんやり考えていた。


(昨日の昼は、すごかったな。あんな天にも昇るような経験、人生で初めてだ...… )

 ルナの愛らしい顔を眺めながら、ノックスは考える。 

(……ルナって、俺が初めてなのか……?)


「なあ、ルナ。光の世界にいたとき、その……恋人とか…いたのか?」

 青い右目がこちらを見て、ルナは少し呆れたように笑った。  

 

「何ですか、急に」

「いや……なんとなく」

「そんなこと聞いてどうするんですか。絶対教えませんわ」

「やっぱり、いたのか!? 」


 机を揺らし必死になるノックスに、ルナは苦笑して近づき、頭をなでて抱きしめる。 ふんわりとした柔らかい感触と温もりに心の底まで溶けそうだ。

 

「昔のことなんて、どうでもいいじゃないですか。今は、あなたと一緒にいるんですから」

「……まぁ、そうなんだけど……」


 ルナはふっと微笑んで、耳元でしっとりと囁く。

「昨日は、あんなに盛り上がったことですし? もう一勝負いたしますか、闇の王?」

「なっ……!」  


 勝負の内容を想像して耳まで真っ赤になるノックス。

 ルナはノックスの赤みがかった茶髪を優しく撫でながら、くすっと笑った。


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