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第4話:至れり尽くせり(ただし主導権は嫁)

第4話:至れり尽くせり(ただし主導権は嫁)

「こちらが、お二人のために国王陛下が用意された屋敷でございます」

案内されたのは、王都の貴族街でも一際目立つ、白亜の大豪邸だった。

立派な鉄柵の門をくぐれば、手入れの行き届いた広大な庭園。そして玄関前には、一糸乱れぬ動きで整列する集団がいた。

「「ようこそ、我があるじよ!」」

白髪の混じった、いかにも「デキる」雰囲気を漂わせる執事のセバス。

そして、若く瑞々しい制服に身を包んだ、十数人のメイドさんたち。

ブラック企業でボロ雑巾のように働いていた前世からは考えられない、VIP待遇だ。

「……なぁ、ユカリ。これ夢じゃないよな? 俺たち、明日から残業しなくていいんだよな?」

「直人、しっかりして。……でも、確かにすごいわね。お風呂とか、泳げそうな広さよ」

羞恥心の塊だったあの伝説の「露出鎧」の上に、慌てて王宮の毛布を羽織ったユカリも、ようやく少し落ち着いたようだ。

専業主夫vs完璧な執事

「直人様、お召し物のお預かりを。お食事の用意も、我が厨房の精鋭たちが既に――」

「あ、いや、セバスさん。食事は俺がやるよ。これ(神のナイフ)も貰ったことだし」

俺がそう言うと、セバスの表情が劇的に変わった。

「……なんと! 女神の化身たるユカリ様の伴侶自ら、包丁を握られると!? これこそが、真の愛の形……記録係! 今の言葉を石碑に刻みなさい!」

「いや、石碑はいらないから!!」

どうやらこの屋敷のスタッフ全員、ユカリを「信仰対象」、俺を「神を支える聖夫」として過剰に神格化しているらしい。

俺がキッチンへ向かおうとすると、メイドたちが道を空け、一斉に深いカーテシー(お辞儀)を繰り出す。

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