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第3話:贈られたのは、機能性ゼロの伝説鎧

魔物の一掃から数日。王都の混乱もようやく収まり、俺とユカリは改めて国王・ゼウス13世に謁見していた。

「……面を上げよ。異世界の救世主、田中直人殿。そして、伝説の**『白き神体』**ユカリ殿」

玉座の間。居並ぶ貴族たちの視線が熱い。特にユカリを見る目は、もはや神を拝むそれだ。あの日、ネグリジェ姿で戦場を平らげた姿は、どういうわけか「清廉潔白なる女神の顕現」として脳内変換されているらしい。

「ユカリ殿。貴殿のそのあまりに眩き姿に見合うよう、我が国が誇る最高の宝具を贈呈しよう」

王の合図で、四人の兵士が重々しく運んできたのは、純白の金属で造られた鎧だった。

嫁の装備:伝説の聖鎧『エロ……ルミナス』

「これは……鎧、なんですか?」

ユカリが引き気味に尋ねる。

俺も目を疑った。そこに鎮座していたのは、**「布面積が絶望的に少ない」**金属の塊だった。

肩当てはあるが、脇腹は全開。

胸当てはあるが、中央がひし形に開いている。

腰回りはもはやベルトと装飾布のみ。

「さよう! 古の伝説に曰く、『真に強き神の化身は、その肌に魔力を纏うため、防具は最小限で良い』とされておる!」

「ただの露出狂の言い訳じゃねぇか!」

俺のツッコミは、周囲の「おおお……!」という感動の嵐にかき消された。

鑑定スキルで確認すると、驚愕の事実が判明する。

【聖鎧ルミナス】

防御力:0(物理攻撃を一切防がない)

特殊効果:『神々しさ+999』『魅了(全性別)+500』

※装着者の魔力により、半径3メートルに絶対不可視の障壁を展開する。

「……ユカリ、これ、防御力ゼロだってさ」

「直人、私これ着なきゃダメ? 捕まらない?」

「国王公認だから大丈夫……たぶん」

ユカリは泣く泣く着替えに向かった。嫁の「白き神体」という称号が、どんどん物理的な意味に塗り替えられていく気がしてならない。

俺の装備:神のナイフ(ただし……)

一方、俺の前にも一つの小箱が差し出された。

「そして直人殿。主夫として……いや、女神を支える伴侶として、この**『神のナイフ』**を授けよう」

箱の中に入っていたのは、白銀に輝く美しい短刀だった。

ついに俺にも戦闘用チート武器が!? と期待に胸を膨らませて鑑定した結果。

【神の包丁:万能マルチ

特性:神の加護

スキル:

『無限の切れ味(食材限定)』:ドラゴンだろうが鉄の果実だろうが、細胞を壊さず調理可能。

『栄養素完全固定』:調理してもビタミン等が失われない。

『鮮度永劫保存』:このナイフで切った食材は100年腐らない。

「……これ、包丁じゃねーか!!」

「左様! それこそが、最強の嫁を支える主夫に相応しき至宝!」

王様が満面の笑みで親指を立てる。

どうやらこの世界は、全力で俺を**「最強の嫁に美味しい飯を作る専業主夫」**に仕上げようとしているらしい。

その時、着替えを終えたユカリが戻ってきた。

ハイレグ気味の鎧(?)に身を包み、羞恥心で顔を真っ赤にした「白き神体」の姿に、その場にいた兵士たちの半分が鼻血を吹いて倒れた。

「直人ぉ……もう嫌だ、帰りたい……」

「……ユカリ、今日の晩飯は、その神のナイフで最高に美味いもん作ってやるからな」

俺は神のナイフを腰に差し、露出度MAXの嫁をカーテンで包み直して、足早に退散した。

俺の異世界生活。

嫁は「見た目特化の最強兵器」、俺は「究極の料理道具持ち」。

……うん、ある意味バランスは取れているのかもしれない

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