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貧乏辺境貴族令嬢の契約結婚から始まる事件簿  作者: 水海雫
第五章

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人は変われる

ヴァイオレット様には休んでいてもらう。

そうして私とヴァンは改めて現場検証を行うことにした。


「侵入路はどこからでしょうか」


割れた窓から侵入は不可能。

となるとどこからだろう。


「この部屋の入り口が妥当だが………」


そうそれが1番可能性が高い。


しかし……


「屋敷のものは見ていない………あり得ませんね?」


「ああ、そうだな」


やはり、ヴァイオレット様は嘘をついている。


大男なら少なくても目には着くはず。


だが、なぜそんな嘘を?


「しかし、リア。今回の騒動は彼女たちも関係しているのだろう?」

「ええ、おそらく」

「なら、何か最新の兵器でうまく入ってきた可能性はないのか?」

「私も考えました。ですが、今回はおそらく違うと思います」


もし、彼女たちの新兵器なら何かしらヒントがあってもおかしくない。


それにだ……


「ヴァン、もし彼女ならヒントをまず出してくるはず。しかし、今回はそれがなかった。それも違和感の一つなんです」


彼女たちのものと思われる新兵器。

しかし、やり方は彼女たちのやり方ではない。

これは一体何を意味しているのか。


「これは彼女、サファイアの意思とは関係ないことと言うことか?」

「そうですね。部下が勝手にやっている。その可能性は否定できません」


そうでもなければ話が見えてこない。


「仮に彼女の部下が勝手に動いているとしてやはり侵入方法は分かりませんね」


考え方が間違っているのか?

何か前提が間違っているとしたら?


「侵入していない………」


そう、侵入していなくて大男はいなかった。

つまり、ヴァイオレット様は自分でどこか歩いてどこかに行った。


「だが、もしそうなら彼女の姿を屋敷の人間は見るはずだ」

「そうですね………」


謎は深まる。

私は再度部屋を見渡す。

侵入できそうなとこなどない。

せいぜい隠れることができそうな場所が数箇所あるだけで………


そうか!


「ヴァン、彼女は部屋から出ていなかったんですよ!」

「出ていない?」

「ええ、拐われたふりをして物陰に隠れていた。そして、時間を見計らって出てきたと言うわけです」

「自作自演だったと?」

「それなら筋は通ります」

「だが、なぜ?」


それだけはいくら考えてもわからない。


「本人に聞くしかありませんね」

「ああ」


私たちはお父様とヴァイオレット様が休んでいる部屋に戻る。


そこではお父様とヴァイオレット様が向かい合って話していた。



「君は何が目的なのかな?」

「わ、私は………」


これは………


「お父様これは?」

「二人とも戻ったか。今回の騒動は彼女によって作られた自作自演だと気づいて訳を聞いていたのだよ」


さすがお父様だ。

私たちより早く気がつくなんて。


「それで、理由はなんだね?」

「…………私はヴァン様の子供を孕らないければいけません」

「もう、孕っているのでは?」

「この子は違います………」


やはりか………


「この子はある方の子供です」


ここまで来れば大丈夫大体分かった。


「彼女の部下の人の子供を孕ったのですね?」

「…………」


これで筋が通った。

彼女は彼女の部下との間に子供を作った。

理由はわからないが少なくても彼は身分は高くない。

高位のものが身分の低いものと子供を作るなどその子がどうなってもおかしくない。


そう考えた彼女と彼はヴァンとの子供にしてしまえとなった。

そうすれば排除はされない。

しかし、こちらは否定する。

だから、問題を起こした。

そうして、ヴァン様の屋敷で問題が起こればヴァン様の責任が問われる。

そして、ヴァイオレット様を大切にするように強く言われる。


そうなれば子供の安全は守られる。

それが計画だったのだろう。


「彼とはどこで?」

「彼は家の執事でした」


なるほど侵入していたのか……


「私は彼から身分を聞かされそれでも愛は冷めませんでした。ですから………」


「そうか、しかしヴァイオレット嬢、君のお父様はそんな冷淡な男ではないよ」

「ですが、高位のものが…………」

「本来なら許されない話だ。しかしだからと言ってできたものを始末なんてお父様は考えないよ」

「そうなのですね………」


そこで彼女はやっと安心したのか肩が下がる。


「彼は今どこに?」

「言えません……」

「そうですか……」

「無理やり聞かないのですか?」

「彼はきっと貴方を選びます。なら、彼はもう組織の人間とは違います。だから私たちはこれ以上干渉しません」

「ありがとうございます………」


彼女は涙を流し長く告げる。


人は変われる。

知っているのだ。

私たちは。

だからこそ、彼女の企みは阻止しなくてはいけない。




読んでいただき、ありがとうございます。

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