大きいを通さず小さきを通す。
「久しいなリアリス殿」
「お久しぶりです。王」
私は王城に来ていた。
そこで王、王子、私とヴァンが応接室に集まっていた。
「王、今回の件はどうですか?」
「リアリス殿はわかってるのだろう?」
「選択肢は一つしかないですよね?」
王は静かに頷く。
「ここで貴族を取ることは不可能だからのう」
「ええ、それで問題ありません」
「その理由が今回わしに会いに来た理由かの?」
「はい」
私は人差し指を上げ告げる。
「私たちの選択肢は一つ。ですが、おそらく貴族たちは一つではありません」
「彼らの選択肢が一つでない?どう言うことかの?」
彼らは脅されていた。
それは確かだ。
しかし、脅迫の内容は公開されてない。
それはあえてなのか。
それとも貴族たちが言わなかったか。
そこが違和感の一つだった。
そして記事にはこうも書かれていた。
一部の貴族たちと書かれていた。
これの取り方が鍵なのかもしれない。
何故なら、一部貴族という書き方はどうとも取れる。
脅された一部の貴族。
それが私たちいや、新聞を見ている全員の認知だろう。
しかし、考え方によってはこうも取れる。
何かしら事情がある貴族とも言える。
そしてその事情が今回の全てだ。
「つまり、彼ら貴族はただ脅されてる被害者なだけではないと?」
「はい、なので私のメイド、フランに協力してもらってあるものを手に入れてもらいました」
私は机の上に一通の手紙を置く。
それを王が静かに開く。
それを読み静かに視線を下に向ける。
「なるほどの………」
「なるほど………」
それは貴族に来ていた脅迫状だった。
王子も読み納得する。
「彼らは脅されていた。しかしそれは命ではない彼らの不正な財政の利用記録なわけだ」
「はい、なので彼らは被害者ではありません」
「つまり切っても問題ないわけだ」
「はい………」
「どうしたリア、今回は俺たちの勝ちだぞ?」
勝ち。
いや、これは勝たされた。
ちゃんと道筋を立てて用意された通りに進み正解した。
これは用意されたものだ。
しかし、彼女たちにはなんと意味があったのか?
「王、これは貴族の皆様から届きました」
「これは………」
それは意見書。
「やられたのう……」
それは収穫祭について微収の増幅禁止をなくすようにする意見書。
「これが狙いでしたか………」
やられた………
普通王族の意見に反対するような意見を上げることはしない。しかし脅されることによって強制的に大人数での意見書ができる。
王もこれだけ多くの貴族からの意見書は無視できない。
何かしらしなくてはいけない。
「収穫祭の中止は囮だったというわけだね」
「大きな問題を挙げてそれより小さな問題を通した。彼女勝ちだな………」
「どうも、彼女の模倣はただの模倣じゃなかった。そういうわけですね」
雲によって太陽が隠れる。
影は濃くなり室内も暗なる。
後日、意見書に対して王が決定を下した。
増幅を許可はできない。
しかし普段の徴収を少しだけ上げるよう決断をした。
これで衝突することはないのだろう。
しかし、確実に衝突は近づく。
彼女は彼がしなかった革命を起こす。
遠い土地、そこでは新聞を読む男性がいた。
「彼女は決めたようですね………そうですか」
彼は少し悲しそうに遠くの王国の方向を見る。
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