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第二話 気まずいクラス

「はぁ〜、災難だ」


職員室から出て来た垣根は肩を落としながら、教師に教えてもらった自分のクラスへ歩く。

結局、入学式には間に合わず、職員室で事情を説明し、カメレオンの怪物の死体を確認した教師陣は垣根が嘘をついていないと判断し、無事(?)遅刻免除証を受け取った。


空に現れた黒い裂け目から放たれた怪物は『魔族』と呼ばれ、姿形は千差万別であるものの、人類に対して敵対する姿勢は共通していた。

その魔族にも等級が存在し、下から『三級、二級、一級、特級』という括りになる。


(まぁ、さっきの奴は大したこと無さそうだったし、三級から二級の間って所かな?)


自分が倒した魔族の等級を予想し歩いていると、自分のクラスである『一年二組』が見える。

教室の中からは微かだが話し声が漏れており、その空間の中に飛び込むのに若干の緊張が走る。


(クソ〜、こういう悪目立ちしたくないから遅刻したくなかったのに!)


扉の前で軽く深呼吸をし、呼吸を整える。

意を決してスライド式の扉をガララっと開けると、クラスの視線が垣根に刺さる。


「あ、おはよ....」


「おはよー....」


「「......」」


(き、気まずい!!!!入学初日で距離感を測っているタイミングでの遅刻登校はかなり気まずい!挨拶は返してくれたし、少なくともマイナスなイメージはない!....はず)


シーーンっとした教室の中、希望的観測も含みながら、垣根は黒板に書かれた自分の席へ向かう。

教室の席は横四列、縦五列の二十人一クラス。

その中で垣根の席はドア側一列目の1番後ろ。友達を作るなら前後左右囲まれる真ん中辺りが望ましかったが、こればかりは苗字の運だ。


大人しく前と左にしかクラスメイトが居ない席に座ると、隣の席から声を掛けられる。


「おはよ、随分遅い登校じゃん。寝坊?」


「おはよ、リリ。電車の遅延と軽いトラブル」


フーンっとニヤニヤしながらコチラを見ている少女は『小桜 リリ』。垣根の幼なじみであり、物心つく前から一緒の存在。垣根の戦う理由。


日本人離れしたピンク色の髪(自称自毛)をルーズサイドテールにしている。漫画やアニメの病死する母親の様な髪型とは打って変わって、目付きはやや鋭く、人を挑発するように笑う癖がある。

そして、服の上からでも分かる内側から盛り上がっている二つの女性的シンボルと長くスラッとした足。幼なじみの垣根から見ても、とてつもない美人さんである。


「トラブルって、どうせ財布落としたとか学生証忘れたとかでしょ?カッコつけて初日は別々に登校しようとか言うからよ」


トラブルの内容を決めつけられ悲しくなるも、日頃のだらしなさが生んだ結果なので言い返せない垣根。

しかし、自分の名誉のため息混じりに応える。


「違うよ、学園近くで魔族に襲われたんだ。それと戦ったら遅れた」


「魔族と戦ったの!?」


垣根の言葉に反応したのはリリではなく、垣根の前の席に座っていた少女だった。


「え?う、うん。と言っても多分等級三から二の間くらいの弱い魔族だったから倒せたけど」


「え〜、私だったら怖くて動けないかも。同い年なのに凄いね!」


「俺は、『垣根 真也』。宜しく」


「私は『小桜 リリ』だよ〜」


「私は『小山 美晴(おやま みはる)』!宜しくね!二人とも!」


自己紹介を済ませ、談笑しているとガララっと教室の扉が開く。

黒いスーツを着た女性がコツ、コツとヒールの音を響かせながら黒板の前に立ち、軽い自己紹介を済ませ、今後の説明を行う。


「このクラスの担任になった『深山《みやま》 愛《あい》』だ。下の名前は嫌いなので苗字で呼べ。この後、別館の測定室で身体測定を行う。金属類は予め外しておいて、いつでも出れるようにしろ。能力発動に事前準備が必要な者も済ましておくように。以上」


ピシャリと言い放ち、その場を後にする深山。

立ち去った深山に続くようにゾロゾロと席を立ちクラスメイトも準備を始める。


「能力測定か〜、緊張する〜」


「別にランクが低くても罰則がある訳じゃないし、気楽に行こうよ」


(リリと美晴さんもう抱き合ってる。こういう時女子のコミュ力って凄いな)


女子特有の距離感の詰め方や仲良くなるスピードに驚愕しつつ、真也も後に続いて別館の測定室へ向かう。


(ランクか。高いのは嬉しいけど、俺の小さな目的に高ランクは要らない。ただただ、人を一人守れる力を付けれれば)


リリと美晴の後ろを着いて行く真也は、そんなことを考えていた。



※※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

時は少し戻り、真也が職員室へ事情説明している時へ戻る。

真也が職員室へ事情説明をし、魔族の死体を確認した教師達は驚愕していた。


「新入生の彼が倒した魔族を確認したら....この顔と特徴、特級魔族の『ハミット』じゃないか?」


別の教員が驚きつつ、冷静に言葉を並べる。


「いや、遺伝子検査をかけてみないと分からない。だが、仮にハミットでなくても、新入生がこれを一人で?」


「とりあえず、魔族と戦ったことは真実だ。遅刻免除証を発行してあげなさい」


ひとまず事実確認が取れたことで、早いところクラスに向かわせるように教師は指示を出す。

走って行った教師とは別の教師が、そこで倒れている特級と思われる魔族を見つめ、一人ボソッと呟く。


「コレがハミットだとしたら.....彼は最高ランク『特異能力者』確定だぞ....」


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『小桜 リリ』

身長:166

体重:66

スリーサイズ:B87 W63 H66

誕生日:六月六日

好きな食べ物:甘い物、ラーメン

嫌いな食べ物:辛い物、漬物

趣味:料理、日記を付ける

最近の悩み:体重が増えてきた

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