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異世界転生したら学園となりのゴーストタウンでした~怖がらない俺がハロウィンの街を作ったら世界一の観光地になりました~  作者: eccen.
第5章 ハロウィンの街、観光名所へ!

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第48話 祭り中止!? 誰かが仕掛けた黒い魔法

「祭りを中止する!」


グラハムの声が、中央広場に響き渡った。


さっきまで笑い声でいっぱいだった会場が、一瞬で静まり返る。


「中止って……?」


「何が起きたの?」


「帰らなきゃいけないの?」


集まった人々が不安そうにざわめき始めた。


ヨイは、広場の中央に設置された魔法装置を見つめていた。


黒い煙。


普通の魔法煙ではない。


まるで生き物のように、ゆっくりと蠢いている。


「ルナ。」


「うん。」


ルナが装置に近づく。


杖をかざすと、魔力の流れが見える。


「……おかしい。」


「何が?」


「この魔法、ハロウィンの魔力じゃない。」


ルミナが眉をひそめる。


「じゃあ、何なの?」


ルナは首を振る。


「分からない。」


その瞬間。


黒い煙の中から――。


「ギギギ……」


不気味な音がした。


「ひっ!」


誰かが悲鳴を上げる。


煙が大きく膨らむ。


そして。


ぼんっ!


黒い煙が弾けた。


中から現れたのは――。


真っ黒なカボチャ。


ただし。


普通のカボチャではない。


目も口も赤く光っている。


「……魔物?」


アルが警戒する。


「いや。」


ヨイは首を横に振った。


「魔物じゃない。」


「魔法で作られたものだ。」


カボチャが、ゆっくりと動く。


「ギギ……。」


そして。


地面に落ちていたパンプキンクッキーを――。


ぱくっ。


「食べた?」


パンプが目を丸くする。


次の瞬間。


黒いカボチャの体が――。


ぐぐぐぐぐっ。


巨大化した。


「え?」


「嘘でしょ!?」


「大きくなってる!」


あっという間に、人の背丈を超える。


さらに。


三メートル。


五メートル。


十メートル。


「うわあああ!」


観客が逃げ始める。


グラハムが叫んだ。


「騎士団!」


「全員、住民を避難させろ!」


「はい!」


騎士たちが動き出す。


ヨイも叫んだ。


「ゴーストのみんな!」


「観客を出口へ誘導!」


「了解!」


パンプが走る。


「こっちだよ!」


ココも子供たちを誘導する。


「押さないで!」


アルは空へ飛び上がった。


「上空から状況を確認する!」


ルミナはヨイを見る。


「あなたは?」


「俺は――。」


ヨイは巨大カボチャを見上げた。


「これを止める。」


「危険よ!」


「分かってる。」


ヨイは笑った。


「でも。」


「これ、たぶん――。」


ヨイは巨大カボチャを観察する。


「俺たちのハロウィンの魔力を利用してる。」


ルナが驚く。


「本当に?」


「うん。」


ヨイは周囲を見る。


街には魔法灯。


ランタン。


魔力カボチャ。


そして大量の観客。


「ハロウィンの魔力が、この街全体に満ちてる。」


「そこに誰かが、別の魔法を混ぜた。」


ルミナが気づく。


「つまり……。」


「この街の魔力を利用して、あのカボチャを動かしてる?」


「たぶん。」


ヨイは拳を握る。


「だったら――。」


「魔力の流れを止めればいい。」


「どうやって?」


ヨイは笑った。


「俺には――。」


「庭師のチートがある。」


ヨイが地面に手をつく。


「豊穣と魔力付与の庭師――。」


魔力が地面へ流れ込む。


「発動!」


地面から蔓が伸びる。


巨大な植物の根が、街中へ広がっていく。


「な、なんだ!?」


グラハムが驚く。


「植物?」


「そう。」


ヨイは集中する。


「この街の魔力を――。」


「植物に逃がす!」


巨大カボチャが動く。


「ギギギギッ!」


どん!


地面が揺れる。


「うわっ!」


ヨイが吹き飛ばされる。


「ヨイ!」


ルミナが駆け寄る。


「大丈夫!」


ヨイは立ち上がった。


「まだまだ!」


植物の根が、さらに広がる。


魔力が流れていく。


黒い煙が少しずつ薄くなっていく。


「効いてる!」


ルナが叫ぶ。


しかし。


「ギギギギギギッ!」


巨大カボチャが咆哮した。


「まだ動けるの!?」


ルミナが驚く。


「魔力を吸収してるんだ!」


ヨイが叫ぶ。


「このままだと、街の魔力が全部吸われる!」


「どうするの!?」


ヨイは巨大カボチャを見る。


そして。


ふっと笑った。


「……だったら。」


「食わせればいい。」


「は?」


ルミナが固まる。


「何を?」


「カボチャ。」


「……。」


「カボチャにカボチャを食わせる。」


「意味が分からないわ!」


ヨイは叫ぶ。


「パンプ!」


「なに!?」


「例のやつ、持ってきて!」


「例のやつ?」


「巨大パンプキンパイ!」


パンプの顔が輝いた。


「分かった!」


数分後。


ゴーストたちが巨大なパンプキンパイを運んできた。


「これをどうするの?」


ルミナが聞く。


ヨイはニヤリと笑う。


「魔力カボチャが暴走した原因は、ハロウィンの魔力。」


「だったら――。」


「ハロウィンの魔力を、別の形に変えてやる。」


ヨイはパイに手を置く。


「魔力付与。」


ぼうっ。


パイがオレンジ色に輝く。


「これを――。」


「食わせる!」


「食べるの!?」


「カボチャだからな!」


巨大カボチャの前へ、パンプが進む。


「ほら!」


「おいしいよ!」


巨大カボチャがパンプを見る。


「……。」


そして。


ぱくっ。


巨大な口が開き――。


パンプキンパイを丸ごと飲み込んだ。


「……。」


静寂。


「どう?」


ヨイが見守る。


巨大カボチャの体が――。


ぼんっ。


光り始めた。


「成功?」


ルナが呟く。


しかし。


次の瞬間。


巨大カボチャから黒い煙が噴き出した。


「まだよ!」


ルミナが叫ぶ。


「ヨイ!」


「分かってる!」


ヨイは魔力の流れを見る。


そして――。


気づいた。


「……あった。」


「何が?」


「魔力の中心。」


巨大カボチャの胸の奥。


そこに――。


小さな黒い魔石が埋め込まれている。


「誰かが魔石を仕込んだんだ。」


ヨイが叫ぶ。


「これを外せば止まる!」


その時。


「待て!」


グラハムが前へ出た。


「私がやる!」


「危険です!」


「構わん!」


グラハムは剣を抜いた。


そして――。


巨大カボチャへ走る。


「はああああっ!」


剣が閃く。


ガキィン!


魔石に剣が当たる。


しかし。


弾き返された。


「ぐっ!」


グラハムが吹き飛ぶ。


「グラハムさん!」


ヨイが駆け寄る。


「……。」


グラハムは立ち上がった。


そして。


「ヨイ。」


「はい。」


「任せる。」


ヨイは驚いた。


「……俺に?」


「ああ。」


グラハムは剣を収める。


「私は、この街を危険だと思っていた。」


「だが。」


グラハムは周囲を見る。


避難誘導するゴースト。


子供たちを守るココ。


空から状況を伝えるアル。


必死に魔法を使うルナ。


そして。


人々を守ろうと走り回るヨイ。


「お前たちは――。」


グラハムは言った。


「誰よりも、この街を守ろうとしている。」


ヨイは笑った。


「だったら――。」


「一緒にやりましょう。」


グラハムは一瞬驚き――。


そして頷いた。


「……分かった。」


ヨイは魔力を集中させる。


「ルナ!」


「うん!」


「魔石を包んで!」


「分かった!」


ルナの魔法が魔石を包む。


「ルミナ!」


「何?」


「街の魔力を一度全部止める!」


「そんなことしたら、ランタンも全部消えるわよ!」


「大丈夫!」


ヨイは叫ぶ。


「俺を信じて!」


ルミナは一瞬だけ迷い――。


「……分かった!」


魔法装置が停止する。


街の明かりが――。


一斉に消えた。


真っ暗。


そして。


ヨイが手を広げる。


「今だ!」


植物の根から――。


一斉に光が流れ込む。


巨大カボチャの魔石へ。


「うおおおおお!」


ヨイの魔力が爆発する。


魔石が――。


ぱきん。


割れた。


巨大カボチャの動きが止まる。


「……。」


そして。


どすん。


巨大カボチャは地面に倒れた。


静寂。


誰も動かない。


やがて。


「……終わった?」


誰かが呟く。


ヨイは巨大カボチャを見つめる。


「……終わった。」


その瞬間。


会場中から――。


大歓声が上がった。


「うおおおおお!」


「助かった!」


「すごい!」


「ハロウィン・タウン最高!」


グラハムも空を見上げる。


そして。


小さく笑った。


「……なるほど。」


「これが、この街か。」


だが。


ヨイは気づいていた。


巨大カボチャの中に残された――。


黒い魔石。


それは誰かが意図的に仕掛けたもの。


つまり。


この事件は――。


偶然ではない。


そして魔石には、小さな刻印があった。


「……この紋章。」


ヨイが呟く。


ルミナが覗き込む。


「知ってるの?」


「いや。」


グラハムが答えた。


「私も知らない。」


しかし。


その刻印を見た王都の騎士の一人が――。


顔色を変えた。


「……まさか。」


「どうした?」


「この紋章は――。」


騎士は震える声で言った。


「王国の古い魔術組織――。」


「黒月会のものです。」


ハロウィン・フェスティバルを襲った黒い魔法。


その背後には――。


この国の知られざる組織が存在していた。

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