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異世界転生したら学園となりのゴーストタウンでした~怖がらない俺がハロウィンの街を作ったら世界一の観光地になりました~  作者: eccen.
第5章 ハロウィンの街、観光名所へ!

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第45話 国王陛下来訪!? ハロウィンの街、最大のおもてなし!

「国王様が……来る?」


ヨイは、王都から届いた手紙を握りしめたまま固まっていた。


「そういうことね。」


ルミナが頷く。


「王女殿下が昨日のことを報告した結果、国王陛下が直接この街を見たいと。」


「……。」


ヨイは空を見上げる。


「どうしよう。」


「珍しく弱気ね。」


「だって国王だぞ?」


「そうね。」


「失礼なことしたら?」


「あなたなら、しそうね。」


「否定してくれよ!」


ルミナはため息をついた。


「でも、ここまで来たんだから、やるしかないでしょう?」


「……そうだな。」


ヨイは拳を握った。


「だったら――。」


「最高のおもてなしをしよう!」


その声を聞いて。


パンプが飛び出してきた。


「王様にも、お菓子をあげるの?」


「もちろん!」


ココもやってくる。


「王様って、怖い人?」


「どうだろう。」


アルが腕を組む。


「国王ともなれば、相当な威厳を持っているはずだ。」


「じゃあ、俺たちも威厳を出さないとな。」


ヨイが言う。


「どうやって?」


パンプが聞く。


「……。」


ヨイは考えた。


「まずは、全員で礼をする。」


ゴーストたちが一斉に並ぶ。


「こう?」


「もっと背筋を伸ばして。」


「こう?」


「いい感じ。」


パンプが真似をする。


胸を張りすぎて――。


ころん。


「わあ!」


「……。」


「威厳、消えたわね。」


ルミナが笑う。


「まあ、いいか。」


ヨイも笑った。


そして。


国王陛下来訪の日。


街は朝から大忙しだった。


ゴーストたちは掃除。


魔物たちは飾り付け。


学園の生徒たちは案内係。


ルミナは全体の進行管理。


ヨイは――。


「料理!」


厨房で大量のカボチャを前にしていた。


「王様に何を食べてもらおうかな。」


「パンプキンパイは?」


ココが提案する。


「もちろん。」


「スープも!」


「もちろん。」


「カボチャのグラタン!」


「いいな。」


「カボチャプリン!」


「それも!」


「カボチャパン!」


「作ろう!」


ルミナが厨房に入ってくる。


「……。」


「どうした?」


「カボチャばっかりね。」


「ハロウィンだから。」


「分かってるわよ。」


ルミナは笑う。


「でも、国王陛下がカボチャだけで満腹になるのかしら。」


ヨイは少し考える。


「……。」


「魚も出そう。」


「そういう問題じゃないと思うけど。」


そして。


昼。


街の入口に――。


王家の馬車が現れた。


「来た!」


パンプが叫ぶ。


「みんな、持ち場へ!」


ヨイが声を上げる。


ゴーストたちが一斉に並ぶ。


ルミナも姿勢を正す。


そして。


馬車が止まった。


扉が開く。


最初に降りてきたのは護衛騎士。


続いて王女エリシア。


そして――。


最後に、一人の男性が降りた。


白髪交じりの髪。


落ち着いた表情。


派手な装飾はない。


しかし。


その場に立っただけで、空気が変わった。


「……。」


ヨイは思わず背筋を伸ばした。


エリシアが笑う。


「お父様。」


「うむ。」


国王は街を見渡す。


「ここが――。」


「ハロウィン・タウンか。」


「はい!」


ヨイが一歩前へ出る。


「ヨイ・フォースターです!」


「そなたが、この街を?」


「みんなで作りました。」


国王は少し目を細める。


「みんなで?」


ヨイはゴーストたちを見る。


「はい。」


「人間も。」


「魔物も。」


「ゴーストも。」


「一緒に作りました。」


国王は黙って街を見渡した。


そして。


「……面白い。」


短く呟いた。


「では、見せてもらおう。」


「この街のハロウィンを。」


「はい!」


ヨイは笑った。


「まずはこちら!」


最初に案内したのは――。


巨大なハロウィン・ゲート。


「ほう。」


国王が見上げる。


「大きいな。」


「これ、魔法で作ったんです!」


ルナが小さく手を上げる。


国王はルナを見る。


「そなたが?」


「はい。」


「素晴らしい魔法だ。」


ルナは嬉しそうに笑った。


次はお化け屋敷。


「こちらです!」


ココが案内する。


「お化け屋敷……。」


国王が少し眉を上げる。


「私が入るのか?」


「はい!」


ヨイが元気に答える。


護衛騎士たちがざわつく。


「陛下、危険では……。」


国王は笑った。


「よい。」


「私も見てみたい。」


そして。


国王はお化け屋敷へ入った。


暗い廊下。


静かな音楽。


魔法灯が一つずつ消えていく。


「……。」


国王は黙って歩く。


すると――。


「うらめしや~!」


ココが飛び出した。


「……。」


国王が止まる。


ココも止まる。


数秒。


「……。」


「……。」


国王が、ふっと笑った。


「可愛いな。」


「え?」


ココが驚く。


「このお化け屋敷は、怖がらせるだけではないのだな。」


ヨイが笑う。


「はい。」


「笑える怖さです。」


国王は頷いた。


「なるほど。」


お化け屋敷を出ると。


パンプキン料理が並んでいる。


「こちらが、街の名物料理です!」


ヨイが説明する。


国王はパンプキンスープを一口。


「……。」


もう一口。


「美味い。」


ヨイの顔が輝く。


「本当ですか!」


「ああ。」


国王は料理を見渡す。


「このカボチャは?」


「この街で育てました。」


「魔力を使って?」


「はい。」


国王は興味深そうに頷く。


「ならば、農業地としても価値がある。」


「……!」


ヨイは驚いた。


「観光だけじゃなく?」


「うむ。」


国王は街を見る。


「食べ物を作る。」


「祭りを作る。」


「仕事を作る。」


「人を呼ぶ。」


「そして――。」


国王はゴーストたちを見る。


「魔物たちにも居場所を作る。」


ヨイは黙って聞いていた。


国王は最後に言った。


「この街は、思っていた以上に面白い。」


そして。


夕方。


中央広場で、国王を招いた特別なハロウィンパレードが始まった。


ゴースト。


ゾンビ。


魔物。


人間。


学園の生徒。


王都の騎士。


みんなが一緒に歩く。


エリシアは楽しそうに笑っている。


ルミナも笑っている。


パンプはお菓子を配っている。


ココは子供たちと手を繋いでいる。


アルは空からランタンを飛ばしている。


そして。


ヨイは最後尾から、その光景を眺めていた。


「……。」


国王が隣に立つ。


「何をしている?」


「見てます。」


「祭りを?」


「はい。」


ヨイは笑った。


「俺、この光景が好きなんです。」


「人間も魔物も、みんな笑ってる。」


国王はしばらく黙っていた。


そして。


「ヨイ。」


「はい。」


「一つ聞こう。」


「何でしょう?」


「この街を――。」


「これからどうしたい?」


ヨイは少しも迷わなかった。


「世界一のハロウィンの街にしたいです。」


「……。」


「毎年、たくさんの人が来て。」


「みんなで笑って。」


「ゴーストたちがずっと暮らせる街にする。」


「それが俺の夢です。」


国王はヨイを見る。


そして――。


静かに笑った。


「ならば。」


「その夢、国が手伝おう。」


「……え?」


ヨイが目を見開く。


国王は街を指差す。


「この街を、正式な観光地として認めるための手続きを始める。」


「本当ですか!?」


「ただし。」


国王は人差し指を立てる。


「来年も、今年以上の祭りを作ること。」


ヨイは――。


満面の笑みを浮かべた。


「任せてください!」


「もっとすごいハロウィンにします!」


「ほう。」


国王が笑う。


「楽しみにしておこう。」


その瞬間。


街中から歓声が上がった。


「ハロウィン・タウン!」


「万歳!」


「来年もやろう!」


ヨイは空を見上げる。


オレンジ色のランタンが、夜空いっぱいに浮かんでいた。


ゴーストタウンと呼ばれた場所。


誰にも必要とされなかった街。


そこに今――。


たくさんの笑顔がある。


そして翌日。


王都から正式な通達が届く。


『ゴーストタウンを、王国公認観光候補地として認定する。』


夢は、もう夢ではなかった。


だが――。


ヨイは知らない。


正式な観光地になるためには、まだ一つだけ。


「国中から観光客を呼べる証拠」


が必要だということを。


そして、その証拠を作るため――。


ヨイは、とんでもない計画を思いつく。


「だったら、王都から人を呼べる――。」


「超巨大ハロウィン・フェスティバルを開催しよう!」

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