↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生したら学園となりのゴーストタウンでした~怖がらない俺がハロウィンの街を作ったら世界一の観光地になりました~  作者: eccen.
第4章 ハロウィン・フェスティバル最大の危機!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
37/51

第36話 カボチャ捕獲作戦! 逃げ出した巨大カボチャを追え!

「いたぞー!」


「こっちだ!」


「逃がすなー!」


ゴーストタウン中を、たくさんの声が飛び交っていた。


ころころ。


ぴょんぴょん。


ぽんっ。


無数のカボチャが、あちこちを走り回っている。


「待てー!」


パンプが追いかける。


「そっちじゃない!」


ココが叫ぶ。


「こっち!」


「分かった!」


パンプが方向を変える。


ところが。


ぴょん!


カボチャが跳ねた。


「うわっ!」


パンプの頭を飛び越える。


「待てー!」


パンプが追いかける。


「ふふっ。」


ルナが笑った。


「楽しそう。」


「だろ?」


ヨイも笑う。


「これがハロウィンだ。」


「でも……。」


ルミナが街の外を見つめる。


「一つだけ、嫌な感じがするわ。」


「俺も気づいてる。」


ヨイは頷いた。


「さっきの巨大カボチャ。」


「まだ見つかってない。」


二人が話していると――。


「ヨイ!」


アルが空から降りてきた。


「街の外に大きな影がある!」


「やっぱり。」


ヨイはすぐに走り出した。


「ルミナ、みんなに伝えて!」


「分かった!」


「パンプ、ココ!」


「なに?」


「街の外に逃げたカボチャを追う!」


「任せて!」


「行きましょう!」


ヨイたちは街の門を飛び出した。


少し離れた丘の上。


そこに――。


巨大なカボチャがいた。


「……。」


全長は三メートル。


太い二本の足。


短い腕。


そして。


頭には大きなカボチャの葉っぱ。


「……。」


巨大カボチャは、こちらを見る。


ヨイと目が合った。


「……。」


「……。」


「逃げるなよ?」


巨大カボチャは――。


くるり。


「逃げた!」


「待てー!」


巨大カボチャが走り出す。


ドスン!


ドスン!


ドスン!


「速い!」


ココが叫ぶ。


「カボチャなのに!」


「魔力カボチャだからな!」


ヨイは走る。


「パンプ!」


「分かってる!」


パンプが先回りする。


「こっちだよ!」


巨大カボチャがパンプを見る。


「……。」


「ほら!」


パンプが手を振る。


「こっちにおいで!」


巨大カボチャは――。


ドスン!


パンプの横を通り過ぎた。


「ええ!?」


「作戦失敗!」


パンプが叫ぶ。


ヨイは笑った。


「まだまだ!」


ルミナが追いつく。


「ヨイ!」


「何か考えて!」


「もちろん!」


ヨイは巨大カボチャを見る。


走り方。


方向。


魔力。


「……。」


そして。


「分かった。」


「何が?」


「こいつ、街から逃げたいんじゃない。」


「え?」


「向かってる場所がある。」


巨大カボチャの進行方向を見る。


そこには――。


ゴーストタウンの外れにある古い丘。


その丘の下には、昨日見つけた地下施設がある。


「地下だ。」


ルミナが息を呑む。


「地下へ戻ろうとしてる?」


「たぶん。」


「でも、どうして?」


「分からない。」


ヨイは巨大カボチャを追いながら考える。


「ただ――。」


「こいつは、何かを探してる。」


その時。


巨大カボチャが急に止まった。


「……?」


ヨイたちも止まる。


巨大カボチャは丘の地面を見つめている。


そして。


ドスン。


地面を踏む。


ドスン。


もう一度。


すると――。


地面から紫色の光が浮かび上がった。


「魔法陣!」


ルミナが叫ぶ。


巨大カボチャの足元に、大きな魔法陣が現れる。


「危ない!」


ヨイが叫ぶ。


しかし。


巨大カボチャは魔法陣の中心へ入った。


そして――。


ズズズズズ……。


地面の中へ沈み始めた。


「待て!」


ヨイが手を伸ばす。


巨大カボチャは完全に地下へ消えてしまった。


「……。」


静寂。


パンプが恐る恐る聞く。


「……逃げられた?」


「いや。」


ヨイは首を横に振った。


「戻ったんだ。」


「どこへ?」


「地下の街。」


ヨイは丘を見つめる。


「明日の夜、地下の扉が開く。」


「それまでに、あのカボチャが戻ったってことは――。」


ルミナが呟く。


「地下の魔法と、あのカボチャには何か関係がある?」


「そういうことだ。」


その時。


ルナが丘の前に立った。


「……。」


「ルナ?」


「聞こえる。」


「何が?」


ルナは目を閉じる。


すると。


「……泣いてる。」


ヨイの表情が変わる。


「カボチャが?」


「うん。」


「悲しいの?」


「違う。」


ルナは首を横に振った。


「怖い。」


「何を怖がってる?」


「……明日の夜。」


ルナの顔が青ざめる。


「十二回目の鐘。」


「その時に、何かが起きる。」


ヨイは地下の扉を思い出す。


『鐘が十二回鳴った時――。』


「……。」


ヨイは拳を握る。


「じゃあ、明日の夜までに全部調べる。」


ルミナが頷いた。


「でも、今は?」


ヨイは時計を見る。


「まだ準備が残ってる。」


「……本当に?」


「ああ。」


ヨイは笑う。


「ハロウィンは明日だ。」


「怖いことが起きるからって、今日を楽しめなくする理由にはならない。」


パンプが笑う。


「そうだよ!」


ココも頷く。


「明日はみんなが来ます!」


アルも空を見上げる。


「ならば、最高の夜にするしかない。」


ルナも微笑んだ。


「うん。」


一行は街へ戻る。


すると――。


「ヨイ!」


学園の生徒たちが走ってきた。


「カボチャ、全部捕まえたぞ!」


「おお!」


「何個?」


「百二十七個!」


「多いな!」


「まだ増えてるけど。」


「……。」


ヨイは街を見る。


捕まえたはずのカボチャが、ころころと動いている。


「え?」


「逃げてる!」


「待てー!」


また街中を追いかけ始める。


ヨイは思わず笑った。


「……これなら。」


「明日は絶対に楽しい。」


ルミナが隣に立つ。


「そうね。」


そして。


夜。


街の準備が終わった頃。


時計塔が鳴った。


ゴーン……。


十一回目。


ヨイは空を見上げた。


「あと一回。」


ルナは黙って時計塔を見つめる。


「……。」


そして。


ゴーン……。


十二回目。


その瞬間――。


ゴーストタウン全体が、紫色の光に包まれた。


地面が大きく揺れる。


建物の壁に古い文字が浮かぶ。


『祝祭の夜、来たれり』


そして。


地下深く。


昨日まで閉ざされていた巨大な扉が――。


ゆっくりと開き始めた。


ゴゴゴゴゴ……。


その向こうから。


無数の赤い光が見える。


「……。」


ヨイは息を呑んだ。


「明日じゃなかった。」


ルミナが呟く。


「もう始まってる。」


ルナが杖を握る。


「違う。」


「これは――。」


ルナは地下を見つめる。


「明日のハロウィンを迎えるための、最後の準備。」


ヨイは笑った。


「なら、行こう。」


「俺たちのハロウィンを完成させる。」


その時。


地下から、楽しそうな笑い声が響いた。


「ふふふ……。」


そして。


誰も知らない地下の奥で――。


巨大カボチャが、ゆっくりと目を開いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。